第4回攻城戦 1
様々な嫌がらせを考え尽くし、準備を整えた。
爆撃用の袋に入った小石がボックスに入れたら〔小袋(小石)〕というアイテム枠になったのは凄く助かると思った。
単体で入れたら、小石×1になるからな。
そのような準備を進めつつ、土嚢を使って守りやすいように固めていく。
最近の戦争では私達のように土嚢を使って、防衛に役立てるギルドも増えてきたらしい。
今までのVRじゃないゲームではこんなことはできなかったしな…。
ちなみに、気になって土嚢をボックスに入れたら〔土嚢×1〕という表記になった。
守備陣形の構築時間が短縮されるようになって、大助かりだ。
まぁ、ボックス枠を圧迫するから倉庫に保管かな?
さて、そうして攻城戦開始時間を待ちつつ密偵からの情報を見ていると、来るわ来るわ3万人位らしい。
どういう計算をしたら、その答えが出るのだろう…。
野鳥の会のように、カチカチ数えたんだろうか…。
想像してみたら、なかなかシュールで笑えた。
まぁそれは置いておいて、大体の数がわかっただけましか。
最初のライクスでの戦争と似たようなもんか…。
あの城は狭かったから、守るのも大変だったな。懐かしいな。
「さてっと私はしばらく席を外すから龍桜に任せるよ?」
4回目にして、初の全部隊による防衛戦だ。これからがギルドWorldの本気となる。
総指揮は龍桜で、全体が見渡しやすいクラウドの空中庭園に陣取って全体を見ている。
その補助として、戦術家として転職を遂げたBlueSkyがサポートに回っている。
前線の橋の近辺には、サブマスターである他の面子が数百人ずつ率いて防衛を進めている。
「まぁ、大丈夫だとは思いますが気を付けてくださいね。」
これから私は龍に乗る3人で上空から拳くらいの石をばらまく嫌がらせに赴く。
数百m上空からの爆撃とか、私なら絶対に嫌だ。
ちなみに、ミニ達の熱線は精々10m位でないと最大火力を保てない。
そんな近かったら、遠距離攻撃の良い的だから流石にできない。
「石をばらまくだけの簡単な仕事さ。落ちない限り問題ないさ。」
そう龍桜に伝え、飛び立っていくのだった。
上空数百mへと浮かび上がると、風が安定しないな。
そんなことを考えつつ、メインメニューのゲーム内時間を確認しつつ、上空を3人で旋回しながら飛び回っている。
全身で風を受けているから、寒すぎて笑えない…。
物理法則を全く考えてなかった…。
寒すぎて泣きそうなので、他の二人にメールを送ってみる。
[300m上空だと、寒くて耐えられないんだけど、二人は大丈夫?]
ほどなく返事が来る。
[自分達は馴れてるので大丈夫ですが、騎龍さんは無理そうなら着替えても良いですよ?]
という返事が来た。馴れてないのは私だけらしい。
あんまり、オーリと飛行してないからな。
現在の空気は夏らしく涼しいとも言えるが、私には寒すぎる。
これが普通の人の感覚なんだろうか…。
[耐えれないほどではないから、このまま爆撃しよう。]
戦争開始時間が来たので、行動を開始する。
ボックスから石の入った袋を取りだして、ばら蒔いていく。
飛んでいく位置を確認しながら、じゃんじゃんばら蒔いていく。
どうせ、当たらなくても気にしないしな。
当たってるっぽい感触を上空から眺めつつ、蠢く相手を確認できるのは良いな…。
私の下では戦争範囲のギリギリで、魔法に翻弄されている人々が確認できる。
あの魔法はフレイムカーペットかな?足を焼いて、歩けなくするとか鬼畜だな…。かなり範囲が広いから、3人で唱えてるのだろう。
あっちでキラキラしてるのは氷の魔法かな?
遠すぎて、足元だけなのか全身なのか判別がつかない。
死に戻りするような傷じゃないし、回復するのにヒーラーのMPを消費できて良いな。
順調に消耗させていけている。
街の入り口に目を向ければ、そうした魔法を潜り抜けた相手が都市に入ろうとしているのが目にはいる。
その瞬間、爆炎が上がったりしているのが見える。
戦斧も良い仕事をしているようだ。
銃を撃ってたり、何かを投げているのが上空から見てわかる。
あの積み上げてある木材や岩石は通路に落として圧死でも狙ってるのかな?
「さてっと、落とし終わったし帰ろうかね。」
そうして周囲を見回したとき、城に向かって飛んでいる影が見えた。
「あー、噂の龍騎士かな?にしては、数が多いような…。」
10匹くらい影がみえる。城に向かって一直線に向かってるようだ。
私の疑問にオーリが答えてくる。
「主よ、龍は2匹で他はグリフォンやペガサス等の飛べる生き物だぞ?」
「そかそか、流石に目が良いな。先回りできるか?」
「ハッハッハ、我に任せよ!」
痛い奴だなほんと…。
城壁付近で足止めをしている向島くんに、そろそろ橋で防衛するようにメールをし、戦斧とウッドにはもうちょっと街中で頑張るようにメールをしておく。
開始して30分は街の前付近で時間稼ぎができてよかった。
移動中もそうして連絡を密にとりつつ、近づいていく。
「しまった!龍桜に言ったのがフラグだったかも!」
世の中、変な強制力があるからな…。
何事もなければ良いのだが…。
本日も誠にありがとうございます。
祝100話!
3日坊主じゃなくて、自分でビックリ。