消え失せた街
私は呆然と立ち尽くした。
そこにあったはずの街は消え失せていた。
そこにあったはずの実家は跡形も無く消え失せていた。
そこにあったはずの映画館も、小さいころによく通った公園も、学校も全てが・・・
2017年6月13日。空から降ってきた塊が街を消滅させた。
街があった場所にはクレーターが出来た。
誰のせいでこうなったのか。
それは誰もが知っていた。
しかし、知っていたとしても仕方がない。
隕石が落ちた時と同じく、保険がないからどうにもならないのだ。
かつて「天宮1号」と呼ばれた塊は、街一つを消し去り、私の心をボロボロに引き裂いて、消え去った。
これはあくまでもフィクションです。