思い出
「懐かしいもんだな」
卓也はお墓に手を合わせて語っている
「お前は怒ってるだろ・・・ごめんな本当に」
涼しい風が卓也を包み込んだ。
卓也の眼には涙が浮かんでいて何か足りないような表情を見せていた
「卓也・・・」
ある夏の事だった・・・・・・
「梅!」
「卓也?どうしたの・・・」
卓也は毎日私を迎えに来た
「あっちでな、皆と遊んでるんだけどよお前も来いよ」
彼の笑顔はとても優しく、私に冒険させてくれた
「梅ちゃぁぁ~ん」
「南ちゃん・・・」
南は私の友達だった。
その日は凄く晴れていた。
「おい、南!梅!来いよ」
木の上にあるツリーハウスに卓也たちが上っていた。
「あぁ~タっくんだけずるい!」
南は階段を駆け上って行った
皆がツリーハウスに登った時のことだった。
「誰かさ、ジュース買いに行こうぜ!」
「じゃんけんだな」
そのじゃんけんで南は負けた
「・・・じゃあ買ってくるね!」
しかし、南は帰ってこなかった。
「卓也!!!」
「母ちゃんなんだよ・・・」
「南ちゃんが・・・」
南はコンビニから帰る途中に車にはねられ、即死だったそうだ。
手には皆が頼んだジュースがあったらしい
・・・・・・・・
「卓也・・・南の事いつまで考えているのよ」
「・・・」
卓也からは返事が無く私は帰った。
「南・・・」
小学生の時の苦い思い出は高校生になった今でも私達を痛めつずける