第四話
眩い閃光がカイルを襲った。思わず。
「う、うん……」
と唸ってしまった。するとその声が届いたのか走る足音が聞こえて来た。
走ってるのは女の子だった。すぐカイルの傍までよると。
「カイル!!カイル!!気が付いた!?大丈夫!?」
「あぁ、大…丈……ッッ!!」
大丈夫と言おうとして体に痛みが走った。
体を見てみると包帯でいびつにグルグルに巻かれていた。所々に血が固まった茶色の固まりが見えた。
「ほら!大丈夫じゃないじゃない!!死んでもおかしくない傷だったんだからね!」
女の子は目に大きく涙を溜めながら言ってくる。
「あぁ……マリーか心配掛けた様だね。もう大丈夫」
カイルはそう言いながら包帯を巻き直していた。
そして、ふと手を止めるとマリーに言った。
「そういや、とても変な夢を見たよ。とても現実感があった」
カイルは先程を見た夢をマリーに言った。
話を聞いたマリーは信じられないという顔をした。
「凄い夢だね!エピックってもしかして英雄エピックじゃないの!?」
そう言われるとカイルは英雄エピックの事を思い出した。
――英雄エピック。
人類で始めてドラゴンを倒した男。人類でもドラゴンを倒せると証明した男。
そして、エピック居る国勝利ありと言われた伝説の男。
その他にも様々な伝説はあるが真意のほどは定かではない。
なぜなら、エピックは数百年前の人物だからだ。
確かめ様にも生きているわけがない。
「きっとエピック様が助けてくれたんだよ!!」
マリーは興奮しているようで口調がヒートアップしてきた。
「ははは…きっとそうだろうな。それよりも治療したいから医者がいるところに連れてって欲しいんだが」
応急処置をしてくれたのはありがたいが、やはり専門の人に診て貰いためカイルは言った。
「ああ〜〜!!!!ゴメンなさい!!大丈夫?立てる?じゃ〜肩に掴まって」
「あぁ、ありがとう。それじゃ行こうか」
こうしてカイルとマリーは立ち去っていった。