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ジャンク・ジャーナル

剥落

掲載日:2026/01/13

ヘッドホンから聞こえる音に集中できず、

電車のドア側の手摺にもたれ掛かり、窓から見える駅舎を見るとでもなく見ていた。

車内アナウンスはもうしばらくこの駅に停車すると伝えている。

乗客はまばらだが、自分だけが手持ち無沙汰に感じられる。皆、自分自身のそれぞれに集中しているのに、浮遊した視線で周りを伺ってしまう。

他の誰も、そんな様子など気にも留めやしないだろうのに、妙にそわそわした。それをはぐらかすように駅舎の屋根のそれを支える金属の柱の仕組みを確かめるように見た。なるほど頑強なものだろうと。

雨風、日光にさらされるだろう鉄柱は、塗られた塗料がひび割れ、端から剥がれ、捲れ、厄介な皮膚病のように思えた。掻き取って剥がしてしまいたい衝動にかられる。

届きそうにもない高さにあるが、どうやろうか?やたらと長い脚立で届くだろうか?

剥片に手を伸ばそうと想像したとき、運転再開を告げるアナウンスが流れた。

15分遅れで次の駅に到着するそうだ。

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