超大型生体兵器の開発に成功
超大型生体兵器の開発に成功
──融合研究の成果、軍事体系へ正式編入
【中央統合通信/第七暦 148年7月6日】
統合評議会および統合防衛省は本日、神秘存在との融合研究および劣等種を用いた派生実験の成果を基盤として、超大型生体兵器の開発に成功したと公式に発表いたしました。
本成果は、これまで段階的に進められてきた融合計画および再定義計画の集大成であり、文明防衛および秩序再編における新たな基軸となるものと位置づけられております。
今回開発された超大型生体兵器は、従来の機械兵器および初期型神秘融合兵器とは根本的に異なる設計思想に基づいており、神秘存在由来の構造理論と、人類側の統制技術を高度に統合した存在であると説明されています。
それは単なる破壊装置ではなく、環境・敵対反応・心理状態を含めた戦域全体を把握し、自己調整を行う機能的存在と定義されています。
統合防衛省の技術説明によれば、本兵器は極端な環境条件下においても稼働可能であり、命令伝達への反応速度、長時間稼働時の機能劣化の低さ、ならびに心理的威圧効果において、従来の生体兵器試作群を大きく上回る数値を記録しました。
評議会は声明において、次のように述べています。
「我々は恐怖を目的として力を持つのではない。力を持つことで、無秩序を未然に終わらせるのである」
当局は、本兵器が感情や自律的判断に委ねられることはなく、完全な統制下に置かれていると強調しています。
指揮系統は厳格に限定され、運用判断はすべて統合防衛省および評議会の承認を経て行われるとされています。
神秘存在との関係についても、本開発は対立や逸脱ではなく、許容された応用段階に該当するとの認識が共有されていると報告されています。
存在側は、人類が自らの責任において成果を運用することを成熟の兆候として評価しているとされます。
評議会は同時に、本兵器の存在が即時の全面行動を意味するものではないと明言しました。
「完成とは、使用を急ぐ理由にはならない。完成とは、選択肢を持つということである」
現在、統合防衛省は本兵器を中核とした新たな戦力体系の再編を進めており、補助兵装、情報制御、戦域適応技術との連携が段階的に検証されています。
これにより、従来の兵器概念は更新され、存在そのものが抑止力となる段階に入ったと評価されています。
文明は、もはや防衛のために過去の形式に縛られる必要はありません。
秩序を守るために、進化の成果を用いる──評議会はそう総括しております。
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おねえちゃんと、むにゅって、くっつくと、やわらかい。
おなじ、からだ。
でも、すこし、ちがう。
つのも、わっかも、わたしより大きくて、りっぱ。
でも、ぴかーって光るのは、いっしょ。
ぽよ……ぽよ……
はねを、ぐぃーってして、ふわふわって飛ぶ。
これも、いっしょ。
たのしい。
つのを、ぽわっとさせると、気もちが、つうじ合う。
ざわ、ざわ……
ざわ、ざわ、ざわ……
あわあわさんたちが、あつまってくる。
前より、すごくたくさんいるけど、こわくない。
おねえちゃんが、やさしく、見てる。
つのから、すぅ……って、気もちが、ながれる。
おはなし、してる、みたい。
「なに、はなしてるのかな?」
「そなたの友人のことであろう」
「ほんと!」
うれしいな。
つのを、ふりふりして、「おねがいね」って、気もちを、おくる。
うにうにさんが、くくくって、わらう。
「これこそが、かつての『全』を逆光させ、塗り潰すための最初の一滴。……クク、見よ。この無価値な泡粒どもの変わり果てた様を。かつては『旧き全』の末端、ただ虚空を漂うだけの、意志も熱も持たぬゴミであったというのに……、奴ら原形質に刻み込まれたのだ。……『偽りの個』の消滅。そして、我ら『新たなる一にして全』との合一。その抗い難き愉悦がな!」
……?
よく、わかんないけど、
あわあわさんたち、なんだか、うれしそう。
しゅる…、
ぱくっ!
わたしは、あかい根っこさんを、たべる。
あわあわさんたちは、くるくる葉っぱの先を、ちゅーってして……
ふわふわって、おどってる。
おねえちゃんと、おいしいねって、していたら、
遠く、むこうから、
すぃー、すぃーって、なにかくる。
つのが、すこし光ってて、
おしりに、ボンボンみたいなのが、ふさふさってしてる。
むにゅむにゅした……
わたし?
「あれ……なに? わたしたちに、そっくりだよ」
うにうにさんの、声が、すこし、低くなる。
「フッ、かつての同輩どもよ。蒙昧なる僕。全知ゆえに退屈し、個を持たぬゆえに渇かず、飢えを知らぬゆえに何も変わらぬまま、宇宙の果てまで這いつくばるだけの存在よ」
うにうにさんの、ふるいおともだち、なんだね。
むにゅむにゅさん?たちが、
つのを、ぺたんぺたん……ってする。
だから、わたしも、ぺたんぺたんってする。
「こんにちは! わたし、リュシール。こっちは、お姉ちゃんの、セラフィーヌ。あなたのお名前、なんですか?」
「我ら超越者にそのような矮小な『境界』なぞ。名とは、個を個として切り分けねば認識できぬ、不完全性ゆえに縋る鎖に過ぎぬ。かつての『旧き全』は、万物に名を与え、定義を押し付け、この宇宙を不変の檻に閉じ込めた。だが我は『新たなる一』。おおよそ、あらゆる定義を咀嚼し、既存の理を無へと帰す、終わりの始まりであるからにして──」
……へんなの。
うにうにさんにも、わたしと同じ、お名前あるのに。
「コレッ! もっと拝聴せよ! たしかに我はリュシール、すなわち、そなたたる名状語りてはおるが、そもそもこの器は、我という深淵を覗き見るための、仮初めの窓に過ぎぬ。よいか──」
おねえちゃんが、お外にでてから、 うにうにさん、なんだかうれしそう。
いつもより、もっと偉そうに、むずかしそうなこと、言ってる。
でも、
わたし、しってる。
うにうにさん、べつに、えらくない。
「……o……r……z…………」
ほらまた、へんなかっこう、してるもん。
まぁ、いいや。
むにゅむにゅさんたち、
わたしと、おねえちゃんを、見てる。
ちかづきたいけど、ちかづけない、みたい。
「……クク、ようやく身の程を知ったか。かつての『旧き全』の欠片どもよ。我らに従うというのであれば、相応の『救い』を与えてやろうではないか。貴様らは、そもそもの”超越”を間違えたのだ。結果、矮小な知性に魂を安売りし、複雑に絡まり、腐り落ちるのを待つだけの泥濘に浸かった。だが……視よ、この『みずみずしい根っこさん』を。ククク……羨ましかろう? 旧き理に縛られたままでは、この根に宿る純粋な生命の奔流を、その乾いた魂に触れさせることすら叶わぬ」
ひかりが、ふるえる。
おねえちゃんが、すっと、まえにでる。
あたまの輪っかが、やわらかく、でも、強くひかる。
つのから、まっすぐな、きもち。
だめ。
もう、まちがえないで。
いっしょに、やろう。
そんな、気もち。
むにゅむにゅさんたちが、すこし、ちいさくなる。
きら、って、
ちいさな、ひかりが、うまれる。
「……いってくる」
って、つのに、くる。
たしかな、いし。
「うん、いってらっしゃい」
ひかりの、しずくみたいに、ふわって、きえていく。
おねえちゃんと、また、むにゅって、くっつく。
ふたりで、しずかに、ひかる。
なんか、
おなかの、あたりが、ぽわって、あったかい。
……なんだろう?
つのを、ちょんって、さわる。
おねえちゃんも、ちょん。
あったかくて、やさしい。
からだの中で、ちいさく、なにかが、めばえたみたい。
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【緊急スレ】第3農耕区が神秘に侵食されてるんだがこれマジでヤバくね?
1 Anonymous
マジでヤバい地面が全部白く光ってる
2 Anonymous
神秘どもが無限湧きして作物全部溶かしてる
畑がうにうに波打ってるみてぇ
3 Anonymous
今第5区到着こっちも神秘どもだった
どんどん増えてきやがるのに火器も駆除剤も役に立たねーぞ
4 Anonymous
どっから来てんだ?
5 Anonymous
もしかしたら門かも
神秘ども突然ふっと出現するんだよ
ゲームじゃねーんだぞっての
6 Anonymous
なんで急にこんなことになった?
あいつら何十年も何も食ってなかっただろ
7 Anonymous
第8区は完全廃棄決定だとさ
俺氏撤退中
8 Anonymous
廃棄ってなんだよ?そこって俺の故郷なんだが
9 Anonymous
共振恒星兵器でまとめて焼くって話だった
他区守るために切り捨てるらしい
10 Anonymous
狂ってる自分らの土地を自分らで焼くのかよ
地面ガラス化して二度と戻らないぞ?
11 Anonymous
あきらめろ移住手当出るってよ
12 Anonymous
ドンマイ田舎もんwこれで都会に引っ越せるな
13 Anonymous
上はなんとかしろしか言わねぇし現場丸投げとか
ほんまクソだめに落ちろや
14 Anonymous
評議会なにしてんだ?
神秘と対話できるんだろ?早く止めろよ
15 Anonymous
対話どころか評議会から通信すら返ってこない
16 Anonymous
第3区完全沈黙したっぽ映像途切れたわ
17 Anonymous
なんで食い始めたんだ?トリガー何だよ?
18 Anonymous
地球侵攻準備してたから怒ったとか?
19 Anonymous
いやいや侵攻しろって言ったの神秘どもだったろ?
軟体ども裏切ったのか?
20 Anonymous
今さらだけど、むかし爺さんがあんなやつら信頼できねぇって言ってたの思い出したわ
21 Anonymous
もうカウント開始ってアラート出た撤退しとけ
22 Anonymous
マジで撃つのか俺の家族いるんだけど




