劣等種を用いた融合実験、完全成功には至らず ★
劣等種を用いた融合実験、完全成功には至らず
──対象個体の再定義進む、「戦略的生体資源として高い有用性」
【中央統合通信/第七暦 128年6月14日】
統合評議会および統合科学省は本日、地球由来の劣等種を用いて実施された神秘存在との融合実験について、当初想定されていた完全融合型上位個体の安定生成には至らなかったとする中間報告を公表いたしました。
本実験は、友好的融合計画の補助的検証として位置づけられており、あくまで段階的評価の一環であると説明されています。
実験に用いられた対象は、遺伝的可塑性および神経適応速度を重視した選別基準に基づき抽出されたものであり、環境変化への順応性が高い幼若段階の劣等種二個体を捕獲し使用されたことが明らかにされています。
統合科学省はこの点について、「発達途中の個体構造を用いることは、融合過程における歪みや拒否反応を最小化するための合理的選択である」と説明しております。
融合の結果、対象個体は統制条件下において極めて安定した指向性行動を示しており、当初の予測を上回る身体的耐久性、異常環境下での生存能力、ならびに外部刺激への高度な順応反応を示しました。
一方で、神秘存在が示す高次意志構造との完全な同調には至らず、精神的統合の段階において不均衡が確認されたと報告されています。
統合科学省技術局は次のように述べています。
「完全な結果を得られなかったことと、得られた結果に価値がないことは同義ではない」
評議会はこれを受け、当該個体を「融合失敗例」として廃棄・凍結する判断を退け、戦略的生体資源として再定義する方針を即時承認しております。
この再定義により、対象個体は今後、防衛・先導・環境適応試験など複数用途への転用が検討される予定です。
評議会声明より:
「目的は一つではない。進化の過程で得られた成果は、すべて秩序の中で活用される」
なお、当局は本件に関する感情的・倫理的議論が拡散することを強く警戒しております。
地球由来の劣等種は、すでに文明的成熟度評価において「主体的権利を行使し得る段階にはない存在」と位置づけられており、実験における年齢区分は政策判断上の考慮対象には含まれないと改めて明言されました。
神秘存在との対話においても、本結果は否定的評価としては受け取られておらず、「進化過程における分岐の一例」として共有理解が成立していると報告されています。
存在側は引き続き、完全融合は選別と時間を要する過程であるとの認識を示しているとのことです。
現在、統合科学省および統合防衛省は、当該個体の長期安定性、量産適性、ならびに次段階融合計画への応用可能性について詳細な検討を進めております。
評議会は、すべては計画の範囲内であり、進路修正は後退ではなく精度向上の一環であると結論づけています。
進化は、常に直線ではありません。
しかし、無駄な段階というものは存在しない──評議会はそう総括しております。
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さけめの風が、びゅう、びゅうって、なく。
たまごは、ずっと、泣いてて、
ざああ……って、つよい酸が、ながれおちる。
わたしは、しろい殻のそばに、すぃーって、ちかづく。
つのを、そっと、あてる。
ぴし。
あたたかい。
かなしい。
さびしい。
「……おねえちゃん」
うにうにさんは、静かで、めずらしく、何もいわない。
わたしは、たまごに、くっつく。
じゅわ、って、酸が、からだをつたう。
でも、いたくない。
なつかしい。
「……きいて」
たまごのなか、からっぽ、なのに、だれか、いる。
だから、わたし、はなす。
「わたしたち……わるいことのために、つくられたんだよね」
ひびが、かすかに、ひかる。
「ちきゅうにおくられて……、こわくて、さびしくて……おなかが、すいて……」
つのが、ぽよ……って、ひかる。
「……でも、おねえちゃんが、いてくれた」
あたたかい、気もちは、ずっと、ずっと、傍にあった。
「わたし、いっぱい、たべたけど……、いっぱい、まちがえたけど……、でも、みんなと、仲良くなれた。うにうにの、むにゅむにゅに、なっちゃったけど、おともだちができたの。それに、ママにも会えたよ」
酸のながれが、いっしゅん、ゆるむ。
たまごの輪が、かすかに、まわる。
うにうにさんが、ひくく、言う。
「守護の選択は、誤りではなかったということだ。超越者としての完成を捨て、魂を抱いた。その結果が、いまのそなたよ」
……なんか、えらそう。
でも、すこし、やさしい。
「ママに、約束したの。おともだちを、助けるって…。悲しいの、なくすって……」
たまごの中で、
なにかが、ふるえる。
「わたし、ひとりじゃ、できない。おねえちゃん、いっしょに、やろ?」
ひびが、ひろがる。
ぱき……ぱき……
うにうにさんが、いきを、のむ。
「そなたの語りが、器を満たした! 魂は、記憶によって、形を得る」
「ずっと、わたしのなかで、まもってくれてたんでしょ? まぜまぜで、ぐちゃぐちゃだったのに……、おねえちゃん、わたしを、えらんでくれた」
ひびのすきまから、
やわらかい、ひかり。
だから、こんどは──わたしが呼ぶ。
つのを、ぴかって、光らせる。
わっかを、おおきく、広げる。
はねを、ぐーんと、開く。
「セラフィーヌ」
なまえが、空気に、ころんって、おちる。
その瞬間──
たまごの輪が、ばきんって、ひかる。
殻が、われる。
ひかりが、あふれる。
そのなかに、
しろい、つばさ。
やわらかい、かお。
なつかしい、きもち。
「……リュシール」
こえは、つののなか。
ずっと、そこに、あったこえ。
わたし、ふるえる。
「おねえちゃん……!」
ひかりのなかから、ゆっくり、でてくる。
巨大な輪が、うしろに、うかぶ。
酸の滝が、いっしゅん、とまる。
「ようやく、か。やれやれ、騒がしき守護者よ。席を分け合うとしよう」
……でも、どこか、うれしそう。
セラフィーヌが、わたしに、ふれる。
あたたかい。
ずっと、さがしてた、ぬくもり。
「ひとりじゃないよ」
わたし、えへへ、って、わらう。
「うん」
「いっしょに、いこう」
さけめの風が、しずまる。
泣いていた、たまごは、もう、ない。
かわりに、わたしたちが、いる。
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【農耕区に】最近やたら野菜が消えてる件【出撃?】
1 Anonymous
野菜が店にないんだが
補給所3軒回ってもルメリアもネブラ芋もゼロだぞ
2 Anonymous
わかる昨日まで普通にあったのにうちの近所も急に棚スカスカだった
3 Anonymous
値段もおかしいぜフォルティ草が先月の3倍とか狂ってる
4 Anonymous
侵攻前の買い占めだろ?
軍が押さえてるから仕方ないって
5 Anonymous
でも出撃準備完了って言われてたのにさっき新しい通知きた
農耕区集合ってどういうこと?
6 Anonymous
俺も艦隊じゃなくて第8農耕区応援行けって
7 Anonymous
ほんとなんで今さら農耕区なんって?
8 Anonymous
第12が壊滅して補填が必要らしいけどな
それにしても農耕区行けって言われたやつ多すぎだろ
9 Anonymous
食料確保が最優先ってことか?それなら正直に言えばよくない?
なんで出撃煽っといて農作業なんだよ
10 Anonymous
評議会また情報隠してるだろ
11 Anonymous
侵攻どころじゃない状況なんじゃね
12 Anonymous
野菜の高騰と関係ある?
13 Anonymous
あるだろ収穫量が公表値より少なすぎると思うよ
14 Anonymous
市場データ更新止まってるのも怖い
15 Anonymous
補給端末に一時的な流通不安定って出てたけどね
16 Anonymous
一時的でこんなに消えるかよ
17 Anonymous
俺らが地球行く前に足元が崩れてないか?
農耕区で何か起きてるんじゃないか
18 Anonymous
植物伝染病とかかね?
19 Anonymous
そんなんで説明できる規模じゃない
あらゆる葉物とか根菜がない
補給輸送も間に合っていないとかどういうことだ?
20 Anonymous
もしかして食料足りてない?
21 Anonymous
それで軍のメシ豪華だったのか
最後の晩餐的な
22 Anonymous
やめろ縁起でもない
23 Anonymous
評議会が沈黙してるのが一番怖い
サピ猿殲滅作戦は延期か?
24 Anonymous
延期どころか内部立て直し優先とか?
25 Anonymous
艦隊志願したのになんで畑耕させられんだよ
俺はシティボーイのエリートなんだ田舎で泥いじりとかありえねぇ
26 Anonymous
情報がなさすぎる
心配するなしか言わない評議会に不信感しかねーわ
27 Anonymous
うかつなこと書くな!消されるぞ
28 Anonymous
とりあえず明日は農耕区に集合(出撃)なw
何も起きてないことを祈るしかねーな




