表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白いもふもふ好きの僕が転生したらフェンリルになっていた!!  作者: ろき


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/26

【第2話】 白銀のフェンリルと最初の遭遇

はじめての執筆なので、至らない部分もあるかと思いますが、よろしくお願いします。



週最低一回は更新予定です。

……あれ? 先ほどまで感じてた、腕の中の温もりはもうどこにもない。 代わりに、アスファルトではない、ひんやりとした土と湿った草の匂いが鼻腔を突く。


僕は、白瀬しらせ 陸空りくうは、死んだはずだ。 それなのに、意識が急速に浮上してくる。


(……生きてる?)


重たい瞼をかろうじて開くと、視界に飛び込んできたのは、見慣れた会社の天井……などではなく、鬱蒼とした森の中だった。 月明かりが、木々の隙間から差し込んでいる。


(なにか身体が……おかしい……?)


起き上がろうとするが、手足の感覚がいつもとはまるで違う。 視界を手の方へ向けるとそこにはいつもキーボードを叩くためだけにあった手が無く、


太くて、筋肉質で、雪のように真っ白な毛に覆われた「前足」があった。


「―――?」


声を上げようにも声が出ない。 出そうとした声は、「くぅん」という情けない鳴き声になってしまった。


混乱する頭のまま、いつもより重い身体を引きずり、近くにあった水たまりへ這っていく。 月明かりに照らされた水面に映った自分の姿を見て、僕は絶句した。


銀色に輝く瞳。 ピンと立った耳。 まだ幼いであろうが、明らかに「狼」とわかる精悍な顔つき。 そして、神聖さすら感じてしまう、圧倒的な白銀の「もふもふ」。


(……これは……フェンリルじゃないか?)


物語やゲームでしか見たことのない、あの伝説の魔獣。 すべて察した。


(ああ、そうか。僕、転生したんだ)


トラック、子犬、異世界。 よくある話だ。だが、なぜよりにもよって魔獣なんだ……。


重たい体にも慣れてきたので少し歩いてみる。 森は不気味なほど静まり返っていた。 RPGならゴブリンの一匹でも出てきそうなものだが、羽虫の音以外、生き物の気配がしない。


(もしかしてこれが転生直後によくある魔力漏れってやつか? 僕の魔力に怯えて、弱い魔物は近寄っても来ないんだろうか?)


フェンリル(幼体)とはいえ、きっとこの森の生態系では上位になるのだろう。襲われる心配は無さそうだが、同時に孤独であるということだ。


(さて、と)


一旦安全そうな岩陰に身を隠し、僕は異世界転生のお約束を試みる。


(頼む、あってくれ……!)


僕は、すがるような気持ちで強く念じた。


「ステータスオープン!」


目の前に、半透明のウィンドウが浮かび上がった。 ……やっぱりあった!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

名前: (なし) 種族: フェンリル(幼体) レベル: 1 状態: 良好


スキル: ・【神速(幼)】 ・【氷結の息吹(弱)】 ・【魔力感知】

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(うわぁ……本当に魔獣なんだ)


出てきたスキルも戦闘的なものばかりだ。


「クゥゥン……(そうじゃないんだ……)」


僕は天を仰いだ(岩陰だけど)。


どうせ転生するなら人間、せめてエルフとかで、 「テイマー」とか「召喚士」みたいな何でも手なづけられるチートジョブについて、 朝から晩まで「もふもふ」に囲まれて、あのサモエドの「凛」みたいなかわいい子たちを愛でながら、癒しの毎日を送りたかったのになんで?!!


僕が絶望に打ちひしがれていた、その時だった。


――ガサガサッ。


(!)


岩陰からそっと顔を出してみる。 草木の擦れる音。 さっきまで、僕の魔力を恐れて誰も近づかなかったはずなのにどうして急に?


月明かりの下、茂みからぴょこんと現れたのは――3羽の「うさぎ」らしき生き物だった。


(うさぎ……? いや、魔物か)


普通のうさぎより一回り大きく、額に小さな一本角が生えている。 【魔力感知】スキルが、あれが微弱ながらも魔力を持つ「ホーンラビット」という生物であると教えてくれる。


(おかしいな……)


あんなにか弱そうな魔物が、なぜフェンリルの僕(魔力がダダ漏れ中)に近づいて来れるんだ?


3羽は僕の魔力など気にも留めず、僕のいる岩陰に向かって夢中な様子で近づいてくる。 そのつぶらな瞳は、まっすぐ僕を捉えていた。

この作品の表紙つくってみましたー

りくう実はとても大きいです。

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ