ー第8話エルサレム神殿
4人は後退した岩の入口を入った。急な石段が暗闇に消えている。ダニーは、再び鍵を岩の隙間に差し込んで下げる。
フワッと柔らかな光が湧いて、長く降りている石段を照らし出した。
「我々はグラウスと呼ぶ光です。何がどうやって光っているのか不明です」
石段を延々と降りて行く。
石段が尽きた。
中は広大なホールだった。天井も高い。にも関わらず柱が無い。
「破壊されたのでは?」
「上の儀式用の構造物が破壊されただけ。核心部を見つける事は出来なかった」
広大なホール全体をグラウスが照らし出している。
円形のホールの真ん中に、一段高く円形のステージが有る。
そこに箱が有った。
「えっ?ダニーさん?もしかしてもしかします?」
キューティクルが固まっている。
「もしかしま~す!聖櫃に、ななななんと石板が入ってまぁす!」
「ついにメンディーのお騒がせビデオが!エルサレム神殿に入った!しかも聖櫃と十戒の石板!セキリンさんね、チビっちゃった」
「メンディーもちびまる子ちゃん!」
「訳わかんねぇ事よく言えるな!この状況で!」
ダニーさんはツボに入って、笑い始めて、さらに床に転がって悶え始めた。
「あんたも笑い過ぎだろ!」
ダニーさんの身悶え待ちの後、涙を拭いながらダニーさんは言った。
「メンディーさん。お神輿の扉を開けて、上を向けて、中に入れて下さい。まず聖櫃の蓋を開けます」
ダニーさんは、また鍵を取り出して聖櫃の下に有る隙間に差し込んだ。
音もなくゆっくりと、左側を支点に蓋が開いて行く。
「メンディーさん、お願いします」
4人は聖櫃の横から、中を見た。十戒の石板が有る。
箱は高いので、3人がメンディーを持ち上げ、さらに、上半身を聖櫃の中に入れて、石板の隣にお神輿を入れる。
「キッパ帽子を片手で押さえて、落ちないようにして扉を開けて、皆さんも!」
メンディーは扉を開けた。精巧な細工で作られた弁財天の像が見えた。伝説通り、メンディーは焼けない。
その態勢で、後ろから声が響いた。
「はいこんばんは、そしてこんにちは。哀川蝶です。メンディーのお騒がせビデオの皆さん。そこまでです。ゆっくりと、聖櫃から離れて下さい?銃で狙ってますよ?」
3人がメンディーを離して、両手を上げたので、メンディーは聖櫃の中に落ちた、