7月29日
7月29日、今日はどこに行くんだろう。河童は楽しみにしながら、外を見ていた。今日も暑い日々が続いている。河童はここ最近に思っている。300年前はそんなに暑くなかったのに。どうしてこんなに暑くなったんだろう。
と、そこに真人がやって来た。真人は朝食を食べ、歯磨きをしてきた。今日はどこかに行くようで、昨日の夜に準備をしていた。いったいどこに行くんだろう。全く見当がつかない。
「今日はどこに行くの?」
「昔の東京を調べようかなと思って、図書館に行くんだ」
図書館? どんな場所だろう。河童は全く想像できない。何があるんだろう。
「そうなんだ」
河童は興味津々になっている。もっと未来の東京の事を知りたいんだろうか?
「見たい?」
「うん。これを自由研究のネタにしようかなと思って」
真人は笑みを浮かべている。きっとみんなが驚く自由研究になるぞ。先生はみんな、茫然となるだろうな。
「いいね」
河童は笑みを浮かべている。すごいのを研究してるんだな。とても少年だと思えない。
「これなら、みんな納得できるかなと思って」
「いいじゃん!」
2人は近くの図書館に向かった。図書館は駅の近くにある。図書館は少し古めかしい建物だ。真人は何回か行った事があるが、ここまで深く調べた事はない。
2人は駅前までの道を歩いている。相変わらずとても暑い。アスファルトから熱が込み上げてくるようだ。これが暑さの原因になっているんだろうか? 次第に河童は、苦しくなった。そんな時は、真人がおんぶしてくれた。河童は思った。真人はとても優しいんだな。
2人は図書館にやって来た。図書館はいつも以上に多くの人々がいる。この時期は特に子供たちが多くいる。彼らも夏休みの自由研究でやって来たんだろうか? この中に、同級生はいるだろうか? 見つけたら、声をかけてみようかな?
2人は図書館から昔の東京のを描いた絵画を見ていた。そこには、江戸時代の東京の写真が多くあった。これが河童のいる江戸の風景の絵画だろうか? こんな時代に河童はいるんだな。このころはどんな感じだったんだろう。どんな気温だったんだろう。どれだけ空気がきれいなんだろう。自分には全く想像できない。
「これが昔の東京なの?」
「うん」
河童は懐かしそうにその風景を見ている。まさに、これが僕のいる江戸の風景だ。真人にも、この風景をしっかりと覚えてほしいな。
「こんな風景だったんだね」
「懐かしいなー」
河童の目はきらめいている。懐かしい風景を見ると、どうして目がきらめくんだろうか? その理由がわからない。
「本当?」
「うん」
河童は感動している。昔の東京の風景がこういう形で残っているとは。
「こうして風景が残ってるだけで、嬉しいな」
「喜んでくれて、よかった」
真人は笑みを浮かべた。河童は喜んでくれたようだ。もっといろんな懐かしい風景を見てほしいな。そして、何かを感じてほしいな。
「そうだったんだ。こんなに変わるなんて」
河童は思った。どうしてこんなに風景が変わってしまったんだろう。時代の流れで風景は変わってしまうものだろうか? それは、避けられないんだろうか?
「びっくりしてる?」
「うん」
その後も2人は、昔の風景の絵画を見ていた。そのたびに、河童は目をときめかした。どうやら、河童にも喜んでくれたようだ。だが、真人は別の意味でそれらを見ている。これも自由研究のネタにしよう。
じっくり見ていたら、そろそろお昼が近くなってきた。家に帰らないと。お昼ごはんがあるし、夏江が心配するだろう。
「じゃあ、帰ろうか?」
「うん」
2人は図書館を後にした。2人はとても楽しそうな顔をしている。今日もまた、いろんな事を学んだ。とても勉強になった。きっと再来月の1日の発表のためになるだろう。
「楽しかった?」
「うん」
どうやら、河童も楽しかったようだ。今日はここに来てよかったな。
「それはよかった」
ふと、真人は思った。かつてここはどんな場所だったんだろう。のどかな田園だったんだろうか?
「どうしたの?」
河童は真人の表情が気になった。何を考えているんだろう。悩んでいる事があれば、はっきりと言ってほしいな。
「昔、ここはどんな風景だったんだろうと思って」
「気になるの?」
「うん」
河童は真人を心配している。知りたければ、もっと調べたらいいじゃないか。きっとそれが自由研究のネタにもつながるだろうから。
「気になったら、調べたらいいじゃない」
「そうだね。これも調べないと。自由研究は何をしてもいいんだから」
真人は少し元気になった。また1つ、考えてみたい事が増えたからだ。きっとこれは自由研究のネタにつながるぞ。
「よーし、またネタが見つかったぞ!」
「よかったね。頑張ろうね」
「うん」
2人は帰り道を歩いていた。日差しはより一層強くなった。早く帰ってクーラーに当たらないと。
2人は家に帰ってきた。家からはお昼ごはんのいい香りがする。すでに夏江は作っているようだ。
「ただいまー」
「おかえりー」
夏江がやって来た。夏江はエプロンをつけている。お昼ごはんを作っている途中のようだ。
「今日はどうだった?」
「いろいろ勉強になった」
「それはよかった」
真人は2階に向かった。さっそく今日の研究成果をレポートに書かないと。早めに書かないと、忘れてしまうだろうから。
勉強をしている間、河童はまた外を見ていた。いつも外を見て、何を考えているんだろう。その意味が全くわからない。昔を想っているんだろうか?
「こんなに変わっちゃったけど、どこかには昔の風景が残っているんだよ」
河童は振り向いた。そこには真人がいる。真人も外を見ている。河童は驚いた。昔の風景が残っている場所もあるんだな。行ってみたいな。
「本当?」
「うん」
2人は乗り気だ。また新しい研究のネタが見つかった。さっそく行ってみよう。真人は思っている。明日は浅草や柴又に行ってみよう。ここは昔からの風景が残っている。だから河童も目がときめくだろうな。
「今度、行ってみようか?」
「うん」
明日の予定は決まった。今日のレポートをしっかりと書いて、明日に備えよう。




