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二人との通信手段はユーチューブ(2022年3月18日)

 雨がしつこく降り続く。昼過ぎても止まない。まぁ小雨レベルだが。

 ステファニーを呼んだら、にゃ〜という返事は返ってくる。ランサーの下だ。ステファニー、綺麗好きだから雨に濡れたくないらしい。大好物のパウンドケーキで釣っても出て来ない。


 車の中で暫し惰眠。今までハスラーの屋根を叩いていた雨足、無くなったような、止んだか?


 女の子たちの声がした。あいちゃんときよのちゃんだ。傘を差してやって来た。車から降りたら、霧雨になってまだ降っていた、「しぶとい雨やな」

「何か、今日は来んって言よらんかったか?」

「猫じい手ぇ出して見て」ときよのちゃん。

「こうか」俺。きよのちゃん、俺の手に何が冷たいぶにゅっとする物を載せた。

「猫じい何で驚かんの?」と口を尖らすきよのちゃん。

「これ前にあいちゃんが遊びよったもんやねぇか」

 意趣返しだ、「俺いいもの見つけたんや」と車の中からブルドッグのフィギュアを持ち出した。きよのちゃんにはやったが、あいちゃんにはまだやっていない。

「あいちゃん手ぇ出して」

 自分の手をさっと引いて、「うんこぉ!」と叫ぶ俺。

 あいちゃんちっともびっくりせす、「猫じい直ぐ分かるような幼稚なことせんで。猫じいの手の形から昨日マリアにうんこぉってやったブルドッグって直ぐ分かったよ」とダメ出しされてしまった。とほほ!


 きよのちゃん、「動画見たよ。だんごは?」

「今日は朝から見てねぇんや」

「なぁ〜んだつまんない」ときよのちゃん。

「ステファニーは? 」とあいちゃん。

「さっきはハスラーの下に居ったが…」と覗いたが、居ない。

 あいちゃん、「うちも『だんご居たよ〜』の動画見たよ」

 きよのちゃん、「だぁ〜れ(猫のこと)も居ないね」


 あいちゃん、差して来た傘をハスラーの右後ろの取っ手に下げた。中に乗ってお菓子を取ろうとはしない。ということは何か食べに行くつもりか。

 きよのちゃん、「今からサイゼ(サイゼリア)に行って来るね」

「おう行ってこい」と二人を見送ったら、駐車場にだんごが姿を現した。

『あっちゃ〜、こりゃ動画撮ってユーチューブにアップしてきよのちゃんに知らせなならんな』

 俺と二人の通信手段はユーチューブだけだ。それもアカウントを俺から教えた訳ではない。ひょんなことからあいちゃんに特定されてしまった。


 俺は変質者ではないと声高に叫んだところで相手はかわいい小学校六年生の女の子だ。だから、俺からは絶対に動かない。あくまでも二人が勝手に訪ねて来たという形をとる。ラインも交換しない。二人の名字も知らないことにしたかったのだが、あいちゃんは車に乗っているとき、自分で○○あいかと声に出していたし、きよのちゃんの名字は、卒業式の前、俺に見せるために持って来たPTAの会報で知ってしまった次第だ。

 ユーチューブにアップした動画に時刻も正確に入れてやった。

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