43猫耳族の里が大変な事に
「う、ん」
「気がついたか?」
「大丈夫? ノア君に何かえっちな事されなかった?」
猫耳族の女の子は目を覚ました。
アリスの治癒魔法で回復させた。
HPだけでなくMPも補填する回復魔法だ。
「あ! 里を! 里を助けて下さい! お、お願いします。僕に出来る事なら何でもします!」
「その前に君の名は? 俺はノア」
「私はアリスだよ。でも何でもしますとか言っちゃダメだよ。ノア君の性のおもちゃになっても知らないよ」
「アリス。俺がそんな事する訳ないだろ?」
アリスは相変わらずプンプンだ。
正式に付き合っている訳じゃないし、俺はまだリリーの事完全に吹っ切った訳じゃないんだけどな。
「ぼ、僕は猫耳族の戦士ルナ。僕の村が人族に襲われてしまって。僕も必死に戦ったけど。お願いだ。助けを呼んで欲しい! その為なら何でもするよ!」
俺はアリスと顔を見合わせると。
「案内してくれ。すぐに何とかする」
「ひ、一人や二人では無理だよ。僕達猫耳族の戦士も10人いたけど、あいつらは100人以上いて、酷いことを、う、うく」
「大丈夫だよ。ノア君を信じて、それに助けを呼びに行っている間に被害が増えるよ」
「で、でも」
俺は早めにこの子を説得することにした。
「ルナさん。俺達は最果てのダンジョンをクリアしたんだ。だから任せて欲しい。いや、信じて欲しい」
俺は真っ直ぐにルナという猫耳族の女の子を見つめた。
何故か頬を赤らめるルナ。
「確かに君の言う通りだ。里のみんなを助けるなら急がないと。アシュフォードの街まで辿り着く頃にはみんな」
「じゃあ、案内を頼む。アリスは魔法で何とかついて来てくれ」
そう言ってルナを抱きかかえる。
お姫様抱っこで。
「ひゃ、ぼ、僕、里の戦士なのに、こ、こんな!」
「今はそんなことで恥ずかしがっている場合じゃない。里はどっちだ?」
ルナは西の方向を指さした。
俺は加速のスキルを発動して、ルナを抱えて疾走した。
ドンという音速の壁を突き破る音が聞こえたが、そんなことはどうでもいい。
アリスは風魔法で空を飛ぶつもりらしいが上手くいかないようだ。
アリス……
置いていこう。
「ぎゃああああああああああ!!!!」
ルナが少々うるさいが、方向がわかったので、ルナの猫耳族の里の位置はわかった。
探知のスキルに反応があった。
火の手と何人かの人の感があった。
そして、僅か3分で里にたどり着く。
ルナは気を失ったようだ。
だが、その方が良いような気がした。
何故なら里は完全に破壊されていて、既に族の手によってかなりの被害が出ていると見た。
ルナが見ない方がいい惨状なのは容易に察しがつく。
ルナを茂みの中に隠すと俺は里の中に入って行った。
途中に無残に殺された猫耳族の男が多数見られた。
みななぶり殺しにされていた。
原型をとどめないほどの酷さだ。
思わず拳に力が入る。
そして、人の感のあった方に向かって行く。
大きめの教会だろう、そこでそれは行われていた。
「ひぃー気持ちいい!」
「たまんないな!」
二人の男が下衆い声を上げる。
だが奇妙だ。
人の感は二人、そしてこの性臭、一体やつらは何を……?
だが俺の見たものは俺の想像を遥かに超える醜悪なものだった。
「死んだ女はたまんないなー」
「お前変態かよ! よくそんなことできるな!」
「お前こそ、死んだ女を切り刻んで楽しいのか?」
俺が教会に入ると何人かの猫耳族の女性が死んでいた。
性臭から穢されたのは間違いない。
その上、暴力を受けていてみな顔が腫れている。
それ位ならいい。
手や足や首が切断されたり、顔がぐちゃぐちゃに……
かつては綺麗な人だったのかもしれない。
だが、今となっては知る由もない。
俺が教会に入ったことに気が付くと、二人の族が俺に気が付いたようだ。
不快なことに一人は俺に気がついておきながら、死んだ女性に腰を振るのを止めなかった。
もう一人は女性の頭を切断している最中だった。
「……お前ら……許さん」
俺はそう言うと剣を抜いていた。
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