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39ダンジョンを脱出

リリーと訣別した俺だが、数日ダンジョンに留まった。


エンシャントドラゴンのドロップしたアイテムは龍の鱗というアイテムでやはりスキル付与のアイテムだった。


内容はスキル『翻訳』と『鑑定』。


一見役に立たないように思えるが、この屋敷にある書物を読むのには役に立った。


何故なら1000年前の書物は現代のものとは異なり読めなかった。


そこでスキル翻訳と鑑定が役に立った。


鑑定で本の趣旨を判別して必要な本だけ読む。


この世界の魔法の知識は多少読んだが俺にはあまり関係ない。


アリスに読み聞かせたりはしたが、それより俺は勇者いつきが書き残した異界の知識に興味を奪われた。いつきの話によるとこの世界といつきのいた世界の違いは魔法の魔素と剣などの武器を使う者の闘気があることが違う位だった。


驚いたがいつきの時代には剣や斧などの武器は普通に魔法と共に使われていたそうだ。


いつきは博識で農業や物理学、化学などの知識に詳しかった。


この国は全てを魔法に頼っている。


俺も実家の辺境領で農業や治水灌漑で苦労したが、この知識があればかなり楽になる。


特に農業で肥料を与えたり、作物を収穫した後同じ作物を育てることはあまり良くない点は驚いた。連作障害と言うらしい。考えてみれば同じ作物を連続して育てると同じ栄養ばかりが枯渇するのでいい筈がない。


言われて初めて気がついた。


もっともこんな知識は今後の俺に何の為に役にたつのかわからないが、興味が湧いて仕方がない。


しかし、執事長のエーリヒさんに再会することができたなら、是非教えてあげたい。


彼にはとても可愛がってもらった。俺にとっては父のような存在だ。


「ノア君、しばらく我慢してたけど、あれから3日経ったから、私、こうしたい」


「アリス」


アリスは俺を後ろから優しく抱きしめてくれた。


いつものエロいやつじゃなくて慈愛に満ちた優しい抱擁。


「ノア君、辛かったよね。最愛の人と永遠に別れることになって」


「ありがとうアリス、でも、俺も少し心の整理ができたよ。俺は復讐はしない。それにいつかリリーの事を吹っ切れたら新しい恋を始めようと思う。今は無理だけど」


「わかってるよ。ノア君はそういう人だから」


俺はアリスの優しさに感謝しながら一つの事を相談した。


「ねえ、アリス。俺はこれからどうすればいいんだろう? 俺はダンジョンを脱出したらリリーを殺した兄達や父に復讐する事だけを考えてた。でも、俺はこれから一体どうすれば?」


俺はこれからどうしたらいいかわからなかった。


人生の目的を失った俺にはどう生きればいいのか分からなかった。


「好きに気ままに旅でもすればいいと思うよ。アリスも一緒に連れて行ってよ」


「旅?」


「うん、気ままに旅をすればいいと思うよ」


そうだな。


それもいいかもしれない。


俺の目標は決まった。


世界を旅しよう。


そして珍しい物を見たり、悪いヤツがいたら懲らしめてやる。


そんな人生もいいのかなと思った。


アリスも付いてきてくれるし。


「わかった、アリス、一緒に来てくれるか? 旅をしようよ」


「うん、もちろんだよ。ノア君!」


アリスの嬉しそうな顔を見ると、俺は居てもたまらず早速ダンジョンを脱出する事にした。


例の倉庫の宝物や書物は根こそぎ俺の収納鞄やアリスの収納魔法に突っ込んだ。


そして、勇者いつきに挨拶をして帰る事にした。


☆☆☆


「そうか、いよいよこのダンジョンを出るか、寂しくなるな。君たちが脱出したらこのダンジョンは100年間封印する。その間に新しいスキルチケットを生成する」


そう言う仕組みか。


「では、俺たちは行きます。お世話になりました。それと最後にこの部屋の書庫の本を全部頂いていきます」


「へ?」


アリスが片っ端から本を収納魔法に突っ込んで行く。


「ああああああああ! 忘れてた! 収納魔法!」


この勇者、絶対ポンコツだよな?


よく邪神に勝てたな。


「た、頼む。お願いだ。全部は持っていかないでくれ! 100年後に訪れる後継者に何も残せなくなる!」


「いや、意味ないですよ。これ、古代文字だから誰も読めないですよ。後、倉庫の宝物も全部頂きましたから」


「えええええええ!」


うるさい勇者だな、こいつ。


☆☆☆


「はあ、全部根こそぎ持っていかれるとはな、とほほ」


「そもそも、このダンジョン1000年間誰も攻略できなかったんでしょ? 次に攻略できる保証はありませんよ。あなたがダンジョンの仕様の桁を間違えたからでしょう?」


「そ、それはそうだが」


いつきは寂しそうな顔をするが、自業自得だと思う。


じゃあ、行きます。


「待て、最後のプレゼントが残っている」


「プレゼント?」


俺は何のことか不思議に思った。


「このダンジョンの真の意味、それは限界突破を行うことだ。それを授ける」


そう言うと俺の身体に何か不思議な力を感じた。


そして、俺とアリスは倉庫の転移の魔法陣に入った。

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支援職、最強になる~パーティを追放された俺、微妙なハズレスキルと異世界図書館を組み合わせたらえらいことになった。は? 今更戻って来い? 何言ってんだこいつ?~
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