〜幕間〜
「ふぅーようやくひと段落だな。」
時間は15時、場所は貴族院東館カフェスペース。と言ってもドリンクカウンターとテーブルがある休憩場所だ。
引き継ぎも完了して、いつもの休憩所に行ったらいつも通りアルがいた。どうやら考えることは同じらしい。
「ここでダベるのも、」
「しばらくお預けだからな」
話は領主についてになる。
お互いの領地の話、様々な条件の話、先ほどの会合の話。
「そういえば、先の会合であの娘可愛そうだったな。」
「可愛そう・・ってカミラ先輩か?先輩を"娘"ってもしかして・・・」
「そんなんじゃない。というかカミラ先輩じゃない。ゆるふわ系の・・」
「ああ、"ショコラ"ちゃんか」
「ショコラちゃん?聞き覚えないが。」
「ああ、あだ名。見た目は甘くて頭脳は苦い。カカオ100%ショコラちゃんってね。」
「なるほど。」
「ちなみにさっきのは計算だぞ。
まずは、ってメーベルちゃん来たな。
この話はここまでにしておこう。」
確かに向こうからメーベルが足早に寄ってくる。確かに計算だとしたら女性であるメーベルにはあまり気分のいい話ではないのかもしれない。ただ、計算とは?
メーベルを交えて3人になったが、やはり話題は明日からのことになる。
「それにしても急に領主とはな。」
「たしかにー。ってかディア兄ここではいつも通りでいいんじゃない?他に誰もいないし、最後なんだし。」
「最後だからこそだ。」
「相変わらずだなぁディアは。」
このままだと押し切られそうな気がするので、話題を変えることにした。
「ところで、2人は領主になってやりたいことは決まってるのか。」
「決まってるけど、ヒ、ミ、ツ!」
「そうだな俺も決まってはいるが秘密にしておこうか。ディアも秘密か?」
「あ、ああ。」
自分で投げた質問ではあり、その返しも予想していたが、それでも戸惑ってしまった。そう、私は領主を諦め、支える者としての将来を考えていたため、急に領主になれると言われても思い浮かぶものがなかった。
するとアルが、
「それじゃあ半年後の中間報告でその進捗も中間報告な」
と言いながら右手をグーにして出した。
それを縦に重ねることが親しい間での約束の証である。
私は中間報告までに夢を決めなければと心の中で決意しながら右手を出し、手を合わせたのだった。
・・・
解散となり、アルとメーベルは寮に向かうため建物の出口に向かった。ちなみに、カルディアは初級書記官に呼ばれ別れた。
「ちぇー。最後なんだから力を抜いて喋って欲しかったなぁ。ディア兄に」
「あれがあいつなりのけじめなんだよ。まぁ心配ではあるけどな。さっきもショコラちゃんのこと真面目に心配してたし」
「相変わらずだね。ディア兄は。硬いのもそうだけど、女性関係ももうちょっとしっかりしてほしいよね。もう守ってあげられないんだから。」
・・・
・・・一方その頃
「くっくっく・・あーはっはっは!
やっぱりあいつはゔぁかだな!
選ばされたことを全く気づいてもない!
僕はこの土地であいつの分まで成功させて周りを見返してやるんだ!!」
ようやく序章終了です!
使い方がよくわからず、完成してないのに投稿をしてしまい、そのせいでしょっちゅう改稿になってしまいましたが、次回からは大丈夫・・だと思います。
ようやく物語もスタート、心機一転です!