綺麗な石
一つのブックマークがボクに次を投稿する勇気をくれた。
道端で拾った石が綺麗だった。
形は歪で色も焦げ茶色のどこにでもありそうな石だった。しかし少年はその石じゃなきゃダメだった。
子供の決めるモノの価値なんでたいていがデタラメだ。だけどこれだけは、という顔でその石を見つめていた。
所詮少年の遊び心は大人に届かない。
少年には少女の友達がいた。
毎日泥臭い公園で一緒に遊んだ。
しかし明日から彼女は砂場遊びも滑り台もしない。
愚か、この公園に足を運ぶことすらしない。
「だから遊ぼうって言ったんだ。」
少年はそう呟くとおもむろに石を撫でた。
翌日のテレビで少女誘拐事件の犯人逮捕が流れた。
ついに身代金5000万を出さない両親にキレて少女を殺害してしまったのだ。
後頭部に鈍器で一撃。
たったこれだけで人間は死ぬ。
少年はその現実を受け止めきれていなかったのだ。
その少年の手に握られた石の裏は赤かった。
今読み返すとこんなに短い文なのに矛盾がある。
20180901作とあるから、これを書いたのは去年なんだとしみじみ思う。