始まり 中編
オヤジのペンダントが姿を変えていく。
オヤジの手に握られた一本の剣。
黒色と金色を貴重とした剣。柄はドラゴンが巻き付いた様な形でとても良く切れそうだ。
「物騒な物出しやがって」
「おー!俺の子ながらやるな。剣を見て文句が出るとは」
「はいはい。で、それは?」
「これは、No.7 ヤマタノオロチ」
「そうゆうことじゃなくて」
「それでも男か?ついとるんか?剣見てなんとも思わんのか?」
そりゃ、カッコイイけどいらん
「わー、かっこいいなーー」
「何だ。その言い方は。じゃなくて。説明するぞ…………」
長かったから簡単に、わかりやすく言おう。
まず、コイツが持っている剣はアンノウンウエポン。
アンノウンウエポンとは昔の錬金術師が創った。言わば魔法道具だと言う。
家は先祖代々夜間戦争に参加して来た一族だと言う。
夜間戦争とはアンノウンウエポンを駆使して戦う戦争らしい。
ちなみに、アンノウンウエポンの所有制限は無い。
その戦争の選手?をやれと言うことらしい。
はぁ…。ため息が出る。
まぁ、俺にもあったよ。「異世界転生とかしないかなぁ」ってつぶやいて辺りを見たら異世界にいるって言う妄想。
実際、普通じゃないことが起きてみて思ったよ。
「simple is best」とはよく言ったもんだ。
あぁ…。馬鹿だな、俺は。そんなこと、あるわけがねぇぇぇ!!
「オヤジ!」
「どうした、学」
「病院行こう!!」
カスなオヤジでも血がつながってるんだよな。
「えっ、ホントの話なんだよ…」
「大丈夫だ!オヤジ。信じてるぞ。さぁ、着替えてくれ」
折角の休日だが仕方ない。
「本当の本当だから、ちょっと待て!」
まだ言ってるのか。
「マナブ!最後まで聞け!」
「わかったよ。早くしてくれ病院混んじまう」
「もう、いいよ。話すぞ。
そんなわけで学の爺ちゃんの遺品の中から爺ちゃんが長年使って来た、この武器を学は使うんだ」
そう言ってオヤジが手を前に出す、
そこには銀のチェーンに悪魔の片羽が着いたペンダントが載っていた。
「これは?」
「これはNo.5 ガーゴイル。さぁ、論より証拠。これを握って「錬金」と心で唱えながら剣をイメージしろ」
「はいはい、一回だけな、病院混むぞ」
ペンダントを握りしめる。
……錬金。
そう心で唱えた次の瞬間、俺の手にはペンダント、ではなく漆黒の柄があり、鍔の部分には先ほどの悪魔の片羽をつけたような柄に銀に輝く刀身の剣を握っていた。
「えっ!?」
「信じたか?」
「まぁ、とりあえず信じるよ」
「ペンダントにするときは「錬金解除」って唱えるんだ」
……錬金解除。
手には剣、ではなく先ほどのペンダントが握られていた。
「これって爺ちゃんのなのか」
俺が産まれた時には他界していた。だからか、何か嬉しかった。爺ちゃんと関われた気がして。
「そう言うことだ。
それと夜間戦争に関係する人の家には結界がはってあるところに立てる。その結界の中では武器の所有者以外が持ち込み。持ち出しはできないから」
「もう、分かったよ。信じるよ」
「あと最後にとても大事な話がある」
「まだあんのかよ」
そしてオヤジはこう言った。
「最後だから、聞けって。
俺、今日から違う家に住むから。
今日から学は1人ぐらしだ」
「えっ?!」
今日から1人ぐらし…だとッ。
「まぁ、そう泣くな」
「泣いてねえし」
もし、泣いてたら嬉し泣きだ。
「じぁ、そういうことだから。お金はちゃんとするから」
その心配?いや、大事だけどさぁ……
ガチャッ!
考えてたらオヤジが出ていった。
「あっ?えっ?今なの?」
思わず声に出てしまった。
これは絶対遊ぶな……、オヤジ。
さて、この夜間戦争のことをどう考えるか……。はぁ…。
もう、知らん。
結局その日、オヤジは帰って来ず。学は高校生らしい生活を送られた。
次の日
ピーンポーン!
家のチャイ厶の音に起こされた。折角、気持ちよく寝てたのに。
今、何時だと思ってるんだよ。まだ、深夜だぞ。
文句を言いつつドアを開ける。
「はい?」
そこに居たのは俺が幸せだなって感じる時一緒にいる相手美少女の幼馴染の陽毬だった。
「あっ。おはよう」
陽毬は朝から元気だな。
「どうした、こんな朝か夜かもわからん時間に」
「大したことじゃないんだけど…」
陽毬は口ごもっていた。
口ごもる姿が可愛いとかどんなだよ。
「一緒に散歩、行こ?」
何で疑問形なんだよ。
えっ!待て、朝から女の子と散歩。フハハハ。俺、幸せだ。
「おう!行こう。今すぐ行こう」
「何か目がギラついてるよ」
「そんなことないさぁ。さぁ、行こう」
「うん。私から言い出した事だし……。ガマン、ガマン」
「さっきは急にどしたんだ?散歩なんて言い出して」
俺が怠そうに言う。
「あっ、ごめん。そうだよね迷惑…、だったよね」
「そんなことございません!ありがとうございますッ!!」
体を90度に曲げて謝った。
だって嬉しい、楽しい、幸せこの3つを今味合わせて貰ってるのに陽毬に謝らせるなんて。
「えっ、怖いよ。目がギラついてる」
「そんなことないさぁ」
そんな感じでしばらく散歩して俺たちは、公園のベンチで休憩することにした。
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