09話. 外勤に左遷ですか!?
懐かしい感じ?身近な感じ?昔から知ってる感じ・・・何だろうこの複雑な感じは・・・
雪は【アスタリスク】に触れながら感じていた。
「ちゃん・・・ゆ・・ちゃん・・きちゃん・・・ユキちゃん」
アリスの呼び掛けにハッとして我に返り、謝る雪。
「ごめんなさい」
「大丈夫?」
「うん、大丈夫」
「【アスタリスク】に触れてから反応なくなるからびっくりしたよ、具合悪いようなら言ってね」
心配し雪の顔を覗き込むアリス、心配そうなアリスに雪は。
「本当に大丈夫だから、それにしても人がいませんね?珍しい物なのに?」
「【アスタリスク】は珍しくないよ、大小あるけれど基本的にどこの街にも【アスタリスク】の施設はあるよ」
「え?そうなの!?」
知るはずもない雪はナーガ街以外知らないのだから。
「ユキちゃんは本当に外国の人なんだね、ユキちゃんの国には【アスタリスク】無いんだ」
「はい、無かったですね・・・で【アスタリスク】て何ですか?」
「んーとーあっいた、ユキちゃんちょと待ってて」
アリスは誰かを探すように周りを見回し、ある人を見付けその人と少し話して連れてきて紹介する。
「ギルド[特務]のミラさんです、【アスタリスク】に詳しいから色々聞いて」
「初めましてミラです【アスタリスク】に付いて聞きたいと」
「初めましてユキです、はい私の国には【アスタリスク】が無かったので、どんな物かもわからないのでご教示いただければと思います」
紹介されたミラは20歳前にみえ170㌢ぐらで白髪と言うより銀色に近い髪、天パで眼鏡をかけ黒い少し変わったコートを着た女性、一見普通な人に見えるが明らかに違う箇所があった、それは尖っている白い角が額から2本生えていた。
アリスから後から聞いて知ったがミラは“鬼人族”らしい。
“鬼人族”とは長寿で知能と身体に優れた種族だが数が極端に少ない種族、そのため争いを嫌い他種族を見下さない温厚な種族。
「そうですか、ユキさんのお国には【アスタリスク】がないんですね、珍しいお国ですね」
「そうなんですよ」
誤魔化しながら話を聞く。
【アスタリスク】
高さ1㍍~10㍍の四角柱、黒い物体で宙に浮いているが動かす事が出来ない、【アスタリスク】があるところに街ができたと考えてもいい。
【アスタリスク】を中心に身体強化・魔法・剣技等の源〈レイライン〉を出している。
〈レイライン〉と体内にある〈スフィア〉を消費し魔法なら触媒結晶、剣技なら該当の武器を使い《スキル》が使える、〈スフィア〉の消費は〈レイライン〉の濃度によって変動し【アスタリスク】によっては使える《スキル》が変わる【アスタリスク】の大きさやそのエリアに住む者たちの営みが影響していると思われる、《初級スキル》はどの【アスタリスク】でも使える。
基本〈レイライン〉が重なる様に【アスタリスク】が存在するが必ずではない【アスタリスク】に何か問題があり〈レイライン〉がなく《スキル》が使えないエリア〈エンジェルホール〉もある。
〈エンジェルホール〉は魔物が多く集まりやすく【アスタリスク】の恩恵が無いため非常に危険地帯。
街によって《スキル》の違いがあるためギルドが王都以外の【アスタリスク】を管理研究し《スキル》を公表している。
「これが【アスタリスク】の概要」
「じゃ、街によって人の能力が違うって事なんですね」
「そうなるね、なので王都では【アスタリスク】は国家機密になるからギルドから独立してる」
「戦争の時に王都を攻め込む際に不手を突かれないようにするため?あまり意味ない気がする、王都エリアの〈レイライン〉を使い色々試せるから」
ミラは首を横に振る。
「【アスタリスク】のことは基本的な事以外ぜんぜん解ってないんだ、何ぜ浮いてるのか、動かせないのか、本体の材質、言い伝えでは【ミネルバの骸】が使われていると言われている、後は他にもどんな能力・機能が有るか解ってない、だから王都では研究し、とある国では研究結果で得られた機能で〈レイライン〉を隠蔽したり国民のみ利用できるようにしたりしてるからね」
「まるでwi-fiルータね」
雪が呟く
「何だいワイワイルータて?」
「あ、気にしないでください、故郷に似たシステムがあったのを思い出しただけですから・・・あっはっはっ」
誤魔化しながら《スキル》について聞いてみる。
「〈レイライン〉と〈スフィア〉があれば誰でも魔法や剣技が使えるんですか?」
「簡単に言えばそうだね、ただ〈スフィア〉が曲者で、人によって〈スフィア〉の量や魔法・剣技に得手不手があるんだ」
「じゃどうやって〈スフィア〉の適性を観るんですか?」
ミラが【アスタリスク】の前にある半透明の緑色した1㍍ぐらいの四角柱を指差す。
「あの魔法道具で確認できるよ、観てみるかい?」
「今は大丈夫です、今度時間あるときにでも・・・はっはっ」
「1分も掛からないが・・無理強いはしないよ」
「そうしてください、ナーガ街ではどんな《スキル》が使えるんですか?」
「回復魔法は使えないが全属性魔法・全剣技が中級まで使えるバランス型だね」
「魔法が普通にある世界だから回復魔法も普通にあると思ってたけど使えないんだ・・・だからあの金髪イケメンは噛まれた腕に包帯をしてたのか」
だが金髪イケメンに悪いことしたとは思っていない色々邪魔されたから!
「回復魔法が使える【アスタリスク】は王都と医療都ぐらいなもんどよ」
「回復魔法って意外にレアなんですね、そう言えば魔物のシンボル部位は何に付かんですか?」
「【アスタリスク】のエリアで生活するだけでも強化されるが、魔物のシンボル部位を使うと《スキル》の強化に繋がったり、〈レイライン〉の濃度が上がるんだ」
「じゃレア魔物のシンボル部位や魔物の全肉体なら効率がるのでは?」
「そうでもないんだ、その辺は既に検証されていてシンボル部位も肉体も同じで効果で個体か取れるシンボル部位と肉体を別々に【アスタリスク】に使っても2倍にはならないとわかっている、レアのシンボル部位は効果はあるが高い効果は得られない、ギルドの施設を維持管理するにもお金が掛かるから、高い効果が得られなければ現金にしたいのさ」
「色々研究してるんですね」
「そうだね、特に私達の種族は長寿だから長く【アスタリスク】に精通してられるから色々研究をしているよ、私はこうみえて87歳なんだよ種族の中では若輩者なんだよ」
年齢に驚きながらも種族が違うためと納得しミラに御礼を言って帰るのであった。
帰りにアリスに今日の御礼にお昼ご飯を奢ることにした。
「アリスちゃん、今日の御礼にお昼ご飯出すから行きたいお店ある?」
「え、悪いよ私何もしてないし!」
「【アスタリスク】の案内とミラさんを紹介してもらいましたから」
アリスの右手を両手で握りながら言うと、アリスは紅くなりながら頷きお店に案内するのであった。
「うん、ご馳走になるよ・・・それじゃお店に案内するね」
トテチテトテチテ
アリスに案内されたお店はパスタで有名なお店らしく行列まではいかないがお店は繁盛していた。
「アリスちゃん、何がオオスメ?」
「んーとー、味噌スープ野菜パスタか醤油スープパスタかな私は来るといつも味噌スープ野菜パスタだけど醤油スープパスタも人気だよ」
雪はオオスメを聞いて周りのお客さんの料理を見て思った。
(それラーメンだよね!?パスタじゃないよね?)
メニューを見ると確かにパスタたと書いてある、アリスは味噌と決めているようなので待たせるのはわるいと思い醤油にすることにした。
注文をしてしばらく待ち運ばれてきた料理を見て思った。
(期待を裏切らない、やっぱりラーメンじゃん!!醤油ラーメンだよ!!)
見た目も味もラーメンだった、アリスのも一口貰い食べたが味噌ラーメンだった。
【ガイア世界】と【ワーナー世界】も対策代わらない食文化だったと思い出していた。
食事を終えお店を出た少し歩くと、何処かで見た事のあるガラの悪い3人組が絡んできた。
「君達何処行くの俺らと遊ばないか~?あれー君達、何処かで見た事のあるようなー?」
無視してアリスの手を繋ぎながら早足で歩くが、このてのおバカさんは退くわけもなく絡んで鬱陶しくなるので煽って衛兵につき出すことにした。
「ギルドにも来ない三下が仕事しろグズ」吐き睨む。
何か言ってくるが気にせず煽ると1人が掴み掛かってきたので、手を払い一本背負いをして、直ぐさまポケットにてを入れ【フェアリーテール】でスタンガンを具現化しポケットに入っていたかの様に偽造しポケットからスタンガンを取り出し感電させ2人目も同じく感電させて3人目をみたらアリスが3人目の足と足元を凍らせ動きを止めていた。
「ユキちゃんはやっぱり強いねあっという間に二人も倒しちゃうなんて」
「アリスちゃんも凄いね魔法使えたんだ・・・アリスちゃん魔法教えて」
「もちろん、ギルドで働いてますから剣は苦手ですけど・・・え?」
アリスの右手を両手で握りお願いポーズして瞳を輝かせながら見つめる。
アリスは頷き魔法を教える事を約束したのであった。
そして近くの人に衛兵を呼んでもらい3人組を引渡して帰るのであった。
トテチテトテチテ
次の日、ギルドの広場でアリスは雪に魔法を教えていた。
「ユキちゃんは魔法適性Sだからコツさえ掴めば直ぐ使えるよ」
雪はギルド従業員の身分確認の際に魔法道具により魔法適性Sとでていたのであった。
「魔法を使うにはミラさんの説明があったように〈レイライン〉と〈スフィア〉魔法は触媒結晶が必要なんだけど触媒結晶の良し悪しで魔法の成果は変わるから覚えておいて」
「はーい、わかりましたアリス先生」
「触媒結晶は《錬金術》で造られた物なんだけど純度の高い触媒結晶は高価になるのと相性があるから購入の際は慎重にね、ユキちゃんには私が昔使ってた練習用の触媒結晶あげるから今日はそれを使って」
アリスはポケットから小さなクリスタルの様な物を出し雪に手渡す。
雪はお礼を言いながらアリスを抱き締める。
「アリスちゃんありがとう」ぎゅーうぅー
その間に雪は【名前ない怪物】で触媒結晶を呑み込み情報を解析し【フェアリーテール】で具現化する。
(後で高純度の触媒結晶を出してみよう)
アリスは息を整えながら話す。
「では魔法の使い方を説明するね」
「はーい」
「触媒結晶に意識を集中して使いたい魔法をイメージして魔法の名前唱えるとその魔法が使えるよ、慣れると触媒結晶に深く集中しなくても大丈夫になるから、まずは初級魔法から火は危ないから水魔法でも使ってみますか」
「はーい」
「初級魔法は基本○○ボールなのね、水魔法なので《ウォーターボール》で使えるからやってみて、練習用の触媒結晶だから威力は出ないから安心て使ってみて」
(魔法の使い方は【フェアリーテール】の下位互換な感じか)
「触媒結晶に意識を集中して・・・集中集中集中集中集中集中集イメージイメージイメージイメージイメージ中集中集中集中集集中ウォーターボーイズじゃなかった《ウォーターボール》」
バシャッ
「「出来た」」
二人は抱き合いながら喜び跳ねていた。
(触媒結晶の純度かなり低くしたのに魔法が使えたってことは純度Maxはかなりヤバメかも、取り敢えずそれは置いといて練習に純度を少し上げて冒険者の誰かに練習台になってもらおう)
雪はギルドの酒場でエールを奢る約束で練習台を集中した。
「誰かエール1杯奢るから魔法の練習台になって死んで!?」
「はーい死にまーす、エール奢らなくても練習台になるよー」×20ぐらい手を挙げて返事する。
手を挙げて奴等はこの後死ぬほど後悔する、本当に死にかけるとは誰も思わなかった。
「死ぬーーーーーーーー」×20
次の日、ギルマスから呼び出された。
「ユキ、呼ばれた理由はわかるな・・・・」
「わかりません」
どや!
「はぁーーー」
イワンは大きなため息をついた。
「昨日半殺しした冒険者に外勤がいてだな外勤が足らんのだ」
「半殺しじゃないです半々殺しです・・・多分」
どや!
「はぁーーー」
イワンは大きなため息をついた。
「半分でも半々でも、どっちでもいいが外勤が足らんから今日からマヤが退職する数週間まで外勤な、それまでには別な冒険者探すから」
「左遷ですか!?」