04話. お金が無い・・・
「ドラゴンは最初の一匹しか見掛けなかったな意外に美味しいかったんだけどなー。まっここでの情報収集は終わりにして日が暮れる前に街に行って宿をとろう。確かオークみたいな豚の魔物を食べて獲た情報に歩いて半日ぐらいの場所に街あるのがわかったし移動しよう」
雪は一通り【名前のない怪物】により情報収集を終え街を目指すことにした。
トテチテトテチテ
歩きだして少したったぐらいに脳に直接語りかけ様な声が聞こえた。
『あーあーてす、てす、聞こえるかー』
神様は声である。
『聞こえてたら手挙げて』
無視
『無視はいけないなーまっいいけど・・・勝手に話すぞ。死んだら転生ではなく魂抹消だからなー』
一方的に伝え声は途切れた。
雪は思う。
(魂抹消かー・・・ま、いいっか)
気にしなかった。何度も記憶や異能力がある状態で転生を繰返し好き勝手してきたからいずれ魂の抹消はあるだろうと思っていたからだ。
雪は焦っていた、歩いても歩いても街は見えず周りは暗くなりはじめていた。
(なぜ、半日に歩いたぐらいの所に街があるはず、ぜんぜん街らしき物が見当たらないんだけど方角間違えた?)
雪は自分が15歳の少女の身体だと忘れている、雪は身長は152㌢。 対してオークの身体大抵は2㍍ちかくあり歩く速度は人間の大人と大差ない。あくまで獲た情報はオークの身体での体感なのでる。
異能力【名前の無い怪物】都合よく情報を変換してくれない。それに雪が気付くのは日が沈んでからの事であった。
(あれもしかして、オークの身体で半日?あれ?私は子供?あれ?・・・やらかした豚野郎~!?)
街路灯があるはずも無く辺りは日が沈み暗くなっていた。
「自転車出せばよかった無念だ~日も沈んだし野宿か~
」
呟き肩を落として街道から外れ少し拓けた場合に【フェアリーテール】でテントと寝袋を具現化する。
ただ問題は寝ている時に襲われないかが心配にる。
(タレットでも出そうか・・・んー複雑過ぎて長時間の具現化が無理か。それに万が一にも人を撃ってしまったらめんどくさい事になりかねない、そうなると【名前のない怪物】しかないな)
そう思いながら雪は分裂すると、裸のもう一人の自分が現れる。
「「宜しく私」」
裸の自分は服を具現化、自分と交代で見張りするのであった。
【名前の無い怪物】その2
全く同じ自分を一体だけ出せる。肉体や記憶のバックアップしても使える。記憶はそれぞれにあり一つにならない限り共有できない。戻す際は直に肌に触れる必要がある。余談ではあるが、数日二人でいると雪の性格上喧嘩してしまうため極力ださないでいる。それで一度死んでいる。
朝になり、もう一人の自分と1つになり鼻唄を歌いながら♪【フェアリーテール】で水樽♪タオル♪歯磨きをだして顔を洗い歯を磨き朝食を食べる♪。
朝食も【フェアリーテール】で具現化。
【フェアリーテール】があれば永久機関と思うかもしれないが能力で出した食物に味とカロリーは無い、腹は膨れるので空腹を満たすため食べる。
後片付けをして再度、街に向かって出発するのであった。
出発して数度、魔物に遭遇したが、たいした問題もなく順調に進み昼前には街の近くまで来ていた。街の周りには壁があり何処からでも入れる訳ではない。衛兵が立っている入口があるので、そこから街の中へはいる。
街に入って直ぐに魔物を撃退した際、お金や宝石ましてや魔石など出ない事に気付き呟く。
「お金が無い・・・」