スパイ大作戦? 有名スパイと無名のスパイの話
今期のアニメをチェックしてたら、Fateというアニメが目に止まりました。
見るつもりはないんですけど、Fateっていうアニメに世界一有名な女スパイ、マタ・ハリが出てるらしいんですね。
そんなわけで、それで思い出した有名なスパイと無名のスパイの話でもしてみようかと思います。
フィクションの世界で、最も有名なスパイというと、やはり007ことジェームズ・ボンドでしょう。
それでは、現実の世界で最も有名なスパイというと? というと、何だか矛盾している問題のようでもあります。
何しろスパイというのは、目立ってはいけないわけですから、無名であれば、あるほど優秀なスパイなのだと言えるのかもしれません。
それでも、あえて有名なスパイは誰かと言われると、やっぱり「人間の絆」、「月と六ペンス」などの作品で知られる文豪サマセット・モームではないでしょうか。
モームは、第一次世界大戦中から、英国諜報部のスパイとして活躍していたそうです。
しかし、モームの場合はスパイとして有名になったのではなくスパイがベストセラーの本を書いて、有名になったケースですね。もっとも、モームはスパイになる前から著述活動を行っていましたけど。
モームの旅行好きは有名ですが、それは表向きの話で実際は趣味と実益を兼ねたスパイ活動のためだとも言われています。ベストセラー「月と六ペンス」を書いてから以後は、更にそのスパイ活動が容易になっていきました。
元々、数ヵ国語が話せる上に、高名な作家になったモームは怪しまれることなく様々な国への入国がたやすくなり、訪れた場所でスパイとして情報を集めてイギリス本国に報告していたそうです。
ちなみに、第二次世界大戦前の日本にも、四回ほど訪れています。多分、スパイ活動を行っていたのでしょう。
しかし、モームなどの場合は例外で、スパイ達のそのほとんどが存在を知られることなく活動しています。
そのため、一部を除いてその活躍があまり資料として残っていません。
第二次世界大戦中のドイツの、あるスパイ養成機関で、教官のリンツは訓練生に、イギリスに入国した後で、イギリス人の知人達の見ているところで、わざと預金通帳を落とすべきだと教えました。
そうすることで、自分がイギリスに定住していることをアピールすることができ、周りの警戒心を緩めることができるとのことでした。
その養成機関を出て、首尾良くイギリスに潜入できたあるスパイはリンツに言われた通り、わざと知人達の見てる前で預金通帳を落とすと、一人になった時にドイツへ情報を伝えるための通信機器を組み立てましたが、結局一度もその機械を使うことなく、イギリス当局に捕まってしまいました。
そのスパイは処刑される前に、なぜ自分の正体がバレたのかを尋ねました。
すると、イギリス諜報部は、実はリンツはイギリスの二重スパイで、人前で預金通帳を落とした者はドイツ軍のスパイである可能性がある、と報告を受けていたとのことでした。
リンツは、この方法で多くのスパイたちをイギリス軍に捕まえさせることに成功したそうです。
もしかしたら、冷戦が終った現在でもスパイ達が、自分達に知られないようなところで、水面下の闘いを繰り広げているのかもしれませんね。
そう、思うと少し楽しいです。