typeA #5 集結
半月近く空いてしまいました…
お久しぶりです!
ちょこっとですが、進展アリです。
では第5話、どうぞ!
カランカラン…
心地いいカウベルの音。うちのドアベルだ。
「いらっしゃい、待ってたよ。」
「久しいな、榛名。またこの店に来れることになろうとは。」
「お、タスクさ~ん!久し振り~!!」
「おぉアリサ!元気しとったか?」
「もっちろん!あ、借りてた本持ってくるね!」
タスクを待ってたのは俺だけじゃなかったらしい。
にしても、アリサが男性になつくなんて珍しい事もあったもんだ。
本当はもう一人来るはずなんだけど…
「タスク、イロハは?」
「さっき連絡したらもう着いとるゆーとったがの…」
「え……」
「まさか!」
「あ!!!」
やられた。
俺たちが用心しなきゃいけない泥棒は、MarchRabbitSだけじゃない事を完全に忘れていた。
「警備1点、防犯4点、合計5点。こんなんただのカモだぜ、シオン?」
年代物のワインをラッパ飲みする贅沢馬鹿は、いつの間にかカウンターに腰かけていた。
「なんでてめぇはいっつも正面から入ってこねぇんだよ(怒)」
「いやーだって、ねぇ?笑笑」
「揃ったわね、始めましょ!」
いつの間にかハルも降りてきていたみたいだ。
「ちょっと待って~!」
ドタドタと階段を降りる音が狭い店内に響く。
「私もやる!!」
「「「「アリサ!?!?」」」」
「はっはっは、そうかそうか、やろう!ええじゃろ、榛名?」
俺がなんと言おうとアリサが折れる筈がない。
全く…なるようになれ。
「アリサ、ここから先は安全である保証はない。」
「知ってる。」
「もし危険があったとしても、自分で選んだ道だ。」
「わかってる。」
「一切の責任は取れない。いいね?」
「大丈夫だから!だって、みんないるし!!」
「そっか、そーだよな!」
「うぉあイロハさん!いつからいたの!?」
「兄貴になんて説明しよう…」
「パパには私からテキトーに言っとくよ!」
テキトーに、ねぇ…まぁいいか。兄貴がそれで納得するとは思わないけど。
「やったー!シオン、ありがとう!!」
こんな時ばっかり名前で呼びやがって。
「んで、わいらが集められたゆうことは、緊急事態なんか?」
「あぁ、二人とも、MarchRabbitSって知ってるかい?」
「あのチンケなコソドロか。俺の仕事に支障が出るからやめて欲しいんだけどな~。」
「お前だってコソドロだろ。で、そのコソドロから予告状が届いた。」
「しっかし上手いこと狙ったもんだね~、こんなに良い猟場は早々ないからな。」
「馬鹿野郎。黙って見過ごすわけがないだろ。俺たちに喧嘩売った事、後悔させてやるのさ。名付けて…」
「名付けて?」
自然と頬が緩み、口角の上がるのが分かった。
「〈赤の女王〉作戦だ。」
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