7/7
セイン
ジリリリリリンっ…
「…なに」
やかましいほどの電話の音に目が覚めた。
仕事の依頼だろうか…
昨夜は珍しく夢見がよかったというのに…
「誰…」
気分のせいかいつもよりも低い声が出た。
「あ、ごめんね…寝てた?」
「っ!マ、マリー…だ、大丈夫」
「よかった!じつは…」
夢に見るほど会いたかったマリーからの電話に心臓が波打つ…今日はついてるかもしれない。
1通り説明を受ける。なるほど…
「…分かった。…今もあの人といるの?」
「うん。」
あの人がマリーを連れてきた。
あの人がいたから出会えたこともわかってる。
けど…「ムカつく…」
「ん?」
「ううん。…何もされてない…?…本当…そんなことない。…うん。またね」
セインは心配症だなあ…なんて受話器越しにマリーは笑っていたけど
「……」
ノア・エドワーズ…
敵ならよかったのに。
「殺しちゃダメかな…」