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解説編:過去を振り返るなとか無理です

そういえば、今私たちが住んでいる...いや家はないから住んでいるとは言えないですかね。じゃあ...歩いている世界。それがどんな世界なのか、まだわからない方もいらっしゃるかも知れません。あらすじ読んでもらえばわかるんですけどね。まあ改めてということで。


今から数年前、世界各地で『都市崩壊』という現象が発生しました。一体どんなものかと申しますと、地震に似たような何か、そして、地震より恐ろしい何かです。


簡潔に説明しましょう。


この世界にあるほとんどの建物が崩れました。


遥かに高いビルも、小さい家も。


根本から割れ、裂け、倒れました。大勢の命を飲み込んで。数え切れないほどの人間を攫い、奪い。おかげで人口は全体の2割まで減少してしまったのです。歴史に残る大災害となるでしょう。


あ、そういえば。この『都市崩壊』には不思議な点が1つあるのでした。


例えば、大きな地震が発生します。この時発生する現象を一つ挙げてみてください。


私は、土砂崩れを思い浮かべました。


荒れ狂う土砂は数多の家を飲み込み、数多もの命を奪いかねません。皆さんも、バイオハザードにはくれぐれも注意してくださいね。


おっと、若干話が逸れました。


えー、大地震に土砂崩れや津波は付き物と言っても過言ではないと思うのです。特に今回のような『全世界の都市が壊滅する』規模の大地震では。正直、世界を飲み込んでもおかしくないレベルの津波が来るはずなんです。


しかし、今回の『都市崩壊』は土砂崩れや津波

なんて起こらなかったそうです。自然災害による被害なんてほとんど無かったといいます。


もうお分かりでしょう。


そう。『全世界の都市が壊滅する』規模の地震にも関わらず、『自然災害が発生しない』という摩訶不思議なことが起こったのです。


さすがにこれには学者も頭を悩ませ...てはいませんでした。いや正確に言うなら、学者さんみんないなくなってしまったのです。この世から。なので、今後優秀な学者さんが生まれない限り、今回の不思議は永遠に残り続けるでしょうね。


だが人類を侮るべからず。この時代、いや、崩壊よりずっと前の時代に、人類は『科学を超越した科学』を生み出しました。人類はそれを『魔法』と呼ぶことにしたのです。


...なんて風にテロップ貼っつけてありますけど、実際『魔法』の本質は誰にもわかっていません。なぜならその『魔法』は、たった一人の学者から始まったとされているから。様々な学者が『魔法』について研究、議論しましたが、結局決まらずわからず終い。知っているのはただ一人、起源の研究者さんだけなのです。『都市崩壊』も起こってしまいましたし、その方が生きているかどうか。死んでいたら『魔法』は永遠の謎、長年の課題になるでしょうね。


とにもかくにも、人類は『魔法』を駆使し、急速かつ加速度的に復興が進みました。全世界にある瓦礫の撤去、建物の再建、清掃などが数年で片付くほどに。


そしてその数年後が、私たちのいる世界。まだ痕は残っていますが、世界の3割の建造物が再建。人口は4割に引き上げられました。そして家もないテント暮らしの私たちは、そんな世界で旅をしているわけです。


え?なんで旅なんてしてるのかって?


その疑問にお答えする前に、私たちの紹介も兼ねてやっちゃいましょう。


まずは私から。私は...私です。あー、名前ないんですよ。いや、数百年くらい前はあったのかな...忘れてしまいました。今度ロボたんさんに付けてもらいましょう。


さて、今の私の発言に「あれ?」となった方もいるかもしれないので、簡単に説明を。


私、不死身なんです。


...いや、マジで。


いつ生まれたかも忘れました。最近(過去百年くらい)のことくらいしか覚えてないんですよね。記憶容量がないものでして。


あらすじに「自称吸血鬼」なんて書いてますが、別に自称しているわけではないんです。ただ「あー私ってもしかして吸血鬼なのかなーどうなのかなー」くらいにしか思ってませんよ。


不死身とは言っても、成長はしてるみたいです。とんでもなくスローリーですけど。しかもあんまり便利なものでもないです。痛みはあるし小さな傷は残るし。ただ『このままだと死ぬ状況』のみ体が急速再生するだけ。ね?あんまり便利ではないでしょう?


水や食事は摂らなくてもいいみたいですが、私だって美味しいもの食べたいので時々食べてます。


そんな私が旅をする理由。それは「死ぬ方法」を探すため。


正気を疑われるかも知れませんが、最小でも百年以上は生きているのです。もういいです。充分堪能しました。私は早くこの体質から開放されたいのです。


私は、私を殺してくれる死神を求めて旅をしているのでした。


はい、私の説明終わり。次。


不死身である私と共に旅をしているもう一...人?の方の説明へ。


『彼』の名前はロボたん。ロボたんとは私の付けた愛称で、本名は不明。


ロボたんでだいたい察しは付いてるかと思います。そう、彼はロボットなのです。


...私嘘言ってません。


人工知能と思われがちですが、驚いたことに彼は『元』人間だそう。


彼は目を覚ましたとき、ほとんどの記憶を忘れていました。ただ一つ覚えていたのが『病室で眠っている自分の姿』だったそうです。


彼は自分が何者なのか、本当に人間だったのか、どうしてロボットになってしまったのか。「記憶を取り戻す方法、人間に戻る方法」を求め、私と共に旅をしています。


ロボットとは普通電気で動きますが、ロボたんさんは半永久的に動き続けられるそう。


「なんでそんな自分のことがわかるの?」と聞いたら「自分でもよくわからないけど、どうやら電気で動いているわけではないらしい」とのこと。全くどんな原理なんですかね。


ちなみにサイズは30センチくらい。コンパクトとは言い難いです。足はありません。ローラーです。アームが両腕となり、レンズは視界とカメラ機能を備えているそうです。ハイテク。


そんなヘンテコな私たちの旅行記。それがこの物語です。少しは理解して頂けましたか?


基本的にコメディ、一話完結で通していくつもりです。時々長編やシリアスも挟んでいきたいと考えています。そんなに続ける気はありません。オチはぼんやり考えていますよ。


こんな感じでゆるっとやっていけたらなぁと思っていますので、どうか宜しくお願いします。




...ふぅ。終わった。


いやー解説って以外と疲れますね。お疲れ様です。


では私はこのへんで。ロボたんさんが私のことを大声で呼んでいますから。


世界が、私たちを待っています。


世界観の説明。

忘れてたなんて言えない。

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