ランプ
手の中に。
オレンジ色に光る、炎。
透明な。
餌を食べながら。
少しずつ、少しずつ。
部屋の空気を、黒く染める。
傘の隙間から、こぼれる光。
壁に映し出される、虹。
時計の光を見やる事すら、難しい。
僕たちの世界は。
弱々しい光を蹴散らして。
強い光がのさばっている。
そこには一つの、ランプの明かりが、見えない。
マッチを擦って、芯に火をつけた。
どうして、こんなに弱い光を、見たいと思ったのか。
よくあるような、興味。
関心。
好奇心。
新聞紙のに向ける、視線と同じ。
どんなにオレンジ色が好きだとしても。
その色が、青い炎になることは、きっと、ない。
そこまでの火力はない。
だから、ガラスに保護してもらっているんだ。
弱いから。
食べることを見つめることが知る例なら。
燃やしているのを見つめることも失礼か。