パラノイア
どーも『螺旋 螺子』です☆
新たな短編を書きました。
友達からは、さっさと連載を書けと言われております←w
今日も私は『 』を探す。
あの日から何日たっただろうか。
私と言う存在を狂わせた、私の人生を狂わせた、あの事件。
いや、何日では無いはず。
何週間?
違う…。
何ヶ月?
違う。
何年?
違う!
私は何十年もの間、『 』を探し続けてるのだ。
何回も尋ねて、何度も訪ねて、それでも見付から無くて。
私の名前を呼ぶ、貴方の下へ。
見付けて返して貰う。
ただそれだけを希望に何十年も生きてきた。
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そう、アレも雪の日。こんなに寒い冬の季節だった。
私は何時も通り、学校へ向かって歩いていた。
青春真っ只中の女子高生。
何事も無く学校へ向かう途中だった。
そして私は、ある男子高生に告白する事を決意したばかりだった。
しかし、願い叶わず。
大型トラックに轢かれたのだ。
下半身を襲う、激痛。
まるで存在するかのような鈍い痛み。ズキズキと激しく軋み、悲鳴を上げた。
それでも私は、彼に会いに行った。
好きだったから。
ただ好きだった。
しかし、彼は強張った顔でフッた。
「だ、だって、き、君には『 』が無いじゃないか!」
分かった。それじゃ、探して来ればいいんだね?
私はそう言った。
そして彼を…。
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「ねぇ、私の『 』を知りませんか?」
傷だらけの腕で、冷たいアスファルトを這う。
「ヒッ!」
声をかけた男が悲鳴を上げる。
「ねぇ、知りませんか?」
「し、知らない知らない知らない知らない知らない!」
そっか、と短く呟く。
「それじゃ、貴方の『 』をちょうだい」
言うな否や、私は男に飛び掛かる。
「違う」
男の『 』を私の『 』に接続しようとするが、上手く繋ぎ合わない。
「何時になったら見付かるんだろう」
しょんぼりした体を腕で引きずり、雪の降る道を歩いた…。
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『こんばんわ。午後9時になりました。ニュースをお伝えします。…』
何時も通りの時間に、俺はテレビを付ける。
仕事帰り、トラックの運転は結構疲れるもんだ。
ビールを開け、数口飲みほす。
『本日、男の死体が××市で発見されました』
殺人事件か。この近辺じゃないか。
『男は無残な死に方で、腹から真横に裂かれていたとの事です。犯人は一体…』
腹を裂く。
へ、へぇ…、まさかな。
気を紛らす様に飲んだビールを、次の瞬間、盛大に噴き出す。
『目撃現場に女子高生が写っていたらしいです。携帯のカメラでかなり遠距離ですので…』
「コイツは!?」
ぼやけた写真に映し出されたのは…。
キィ
突如、自分の背後の扉が開く。
一人暮らしの家に、自分以外の気配がする。
振り向くな。決して振り向くな!
目の前を向いたまま固まる俺の肩に、ポンッと感触が。
恐る恐る見ると、
『真っ赤な血の付着した手』がのっている。
「見付けた」
その手はそのまま俺の首へ向けられる。
「ねぇ、返して!」
ダンッ、と地面に倒され、相手の顔を見る。
「!?」
テレビと同じ顔だ。
「ねぇ、返してよ!」
ドンドンと胸を叩かれる。いや、刺されるか。
「早く返して! 私のあ………!!!」
最後の方の声は聞こえない。
意識が真っ白になり、やがて真っ黒に染まった。
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「私を轢いた男は持っていなかった」
ならば、
「何処にあるってゆうのよ!」
私は泣きながら、部屋を出て行った。
腹から真横に裂かれた男を残して。
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気付くと私はベッドの上にいた。
真っ白な部屋。
少し先に果物が並ぶが、手を取る事は叶わない。
「あの男じゃなかったんだ…」
怪しい笑みを浮かべながら、続ける。
「じゃ、探さないとね…」
解答
先ずは解説から。
>まるで存在するかのような鈍い痛み。ズキズキと激しく軋み、悲鳴を上げた。
彼女は下半身がありません。
ですが『まるで存在するかのような痛み』とは?
これは、欠落した体の一部があるはずの無いのに、まるであるかのように脳が勘違いして起きる病気です。
これを『幻肢病』と言います。
これを知っていれば、後は超簡単なんですが。
>それでも私は、彼に会いに行った。
恋愛を含めたのは、足を探させるきっかけを得る為です。
特に深い意味はありません。
答えは『テケテケ』、『トコトコ』、『テクテク』でした。※名前は諸説あります。
事故に遭った可哀相な女子高生。
下半身を失った時、彼女はどう思ったでしょうか?
今回も不完全燃焼でしたか?
不完全に燃え残ってしまった所は、自分で想像して、消化するのです。
自分の解答があると、また違った解釈が出来るかもしれませんよぉ(笑)
因みに、本当の答えは『題名』に掲載しております。
意味は…、調べてみるといいです♪