おれのぶきはわきやく
由佳ちゃんはボーイッシュなのだ
ここは普通ではないんだよ
「ただいま~」
教室に帰ってきた。
「やっと来ましたか。先生も暇を持て余していたところです」
先生……俺の評価が少し上がった
「それでは行きましょうか」
テコテコ
長いな、廊下が。というかホント石で出来ているんだな。学園も見た感じ城だし。
「はい、ここです」
ちゃんとした扉だ…やっとちゃんとしたものが
テコテコ
デカっ
「デッカイね。これ必要ないくらいに」
「それでは入りましょう」
スルーなんだね
「えっ!なんで片手で軽く押しただけなのに開くんですか」
実は体育会系だった先生。どう見ても普通の人だが
「聞かないでください。それより早く中へ」
と言われたので堂々で入ってみた。
「この箱に手を入れて何かつかめたら引き抜いてください」
くろーい四角い箱?らしきものが中央にズデーンとある。なんか渦巻いてないっ!?
「それじゃあボクからでいいかな」
グニュニュ
俺に慣れすぎるとこうなるんだろうな。いや、なんか目が据わってる。もう疑問を思うことに麻痺したのか。
「う~ん…あっ、これかな?」
と由佳が引き抜くと
メシッ
これまた大きい。
「立派なハルバードだな」
よく持ててるよ。両手だけど女の子だよ。自称いたいけな。
「これはすごいですね。ここまで大きい武器はそう見たことがありませんから」
「わーい!!かっこいいの出てきた~」
ブンブン ガシッ
「振り回すな、危ないだろ」
「片手で白羽取りされちゃうなんて……もっと強くならないとなぁ」
先生に当たったらどうする気なんだ。俺の場合衝撃を受け流すから大丈夫だったけど。
「あなたは人間を辞めているんですか………」
「んじゃあ、俺も」
思いっきり突っ込んで
ズボッ
上半身全部入っちゃった。
「で、中はどう……」
ズポッ
「俺の武器はダガーか」
「大丈夫でしたか」
「ねえねえ中どんなふうだった?」
「ナニモミテナイヨ、ウン。ベツニタダマックラダッタダケダヨ」
目を泳がして、カタコトで言ってみた。
「えっなになに、すごく気になるんだけど」
ダガーか…もう慣れている武器だな。
「装備って武器だけなんですか?」
俺も少し思った。
「いえ、初期装備はここで出てきた武器と制服だけです。ちなみに制服は自動で治りますし、武器は砥いでも磨り減りませんし」
流石だな。
「それでは実践と行きましょう」
「いきなりですか!!まだ全然使い方とかわかってないけど」
「習うより慣れろってわけだろ」
「さあさあ、講堂へ行きますよ」
実践とは楽しそうだな。鈍ってないといいんだが。
「武器は念じることで消したり出したりできますから移動するときは消しておいてください」
「はいっ、先生!」
由佳は素直に消したが
スッ
俺は消すフリをして袖の中へ
ここが一番落ち着くよな
由佳も楽しそうだし、チャッチャと行くか。
そうして講堂へ向かった。
……かなり遠いな
ちゃん 「やっぱりスピード系だよね」
灰 「暗殺とか殺りやすそうだな」
ちゃん 「して、主人公の非常識はどこまで通用するのか」