大雨気を付けて
水流のロック聞きながら書いてみました。
「夏だぁー!」
「うるさい。」
「本当に…」
キラキラした目の私は、隣の男子に向かって言う。
「だって夏だよ?バイト楽しみ~!」
「ええ、そんなに…?」
「まあ、仕事の厳しさを体験してこい」
「うん、先生!」
「そこは『はい、先生』だ。それから、お前らに貸してるけど、此処は危ない時がある。屋上の鍵は俺が持ってんだ。早く帰れ」
今日は校舎の上にある、屋上で三人で集まれる最終日。
「夏だぁー!」
何度となく聞いた声に耳が洗われる。
「夏だぁー!」
煩い声に俺は息を吐いた。
長年教師をやってるだけの自分は、大学の親友たちより、給料の巡りが悪い。
「うるさい。」
なんだかそう…色々と言いたい事があるが……。
帰り際に俺は女子生徒に言った。
「バイト……」
そこからは言えなくて、俺は下駄箱で止まっている二人に作り笑いをした。
「いや、何でもない。バイト頑張れよ」
「はーい!」
「社会人になると、『はい』だけで良いからな」
今日は校舎の上にある、屋上で三人で集まれる最終日。
「夏だぁー!」
何度となく聞いた声に耳が洗われる。
「気を付けて」
その日、校舎の近くで、君は生きる。
俺と先生と、の中だけで、学園生活も終わりその中で生きるのだろう。
今回は…少し元気な振りをし過ぎている時。
「頼むから、今回も、楽にしてやってよ」
遠い記憶の君の代わりに死ぬ俺に、どうか、慈悲を。




