第4章ー2《星核技・初発動》
重力兵装が、地を砕きながら降り立った。
黒い外殻がうねり、中心部の人工重力核が赤黒く点滅する。
星の鼓動に干渉し、強制的に“重力のねじれ”を発生させる兵器。
「……来たな」
マグニが構え、暴走守護者も軋む体を引きずりながら前に出る。
『……守ル……器……守ル……!』
しかしレアは、ふらつきながらも一歩前へ出た。
胸の奥が熱い。
星の声が、脈のように打ち続ける。
(怖い……でも、逃げない……!
私が“星核の器”なら——星の想いを、形にする……!)
レアの足元に、淡い赤紋が咲いた。
その瞬間——
重力が弾けた。
■星核技
「レア!? その光は……!」
マグニが驚愕する。
レアの胸から、光の“波”が静かに拡がっていった。
一見弱々しい。
だが、その波は 星の脈動と完全に同期していた。
星核技——
それは星の中心“星核”と個人の生命核を同調させ、
干渉圧を外界へ流出させる共鳴能力。
最初の発動は、本来なら意識を失う危険な儀式のはずだった。
だがレアは、叫びながら両手を突き出した。
「——止まって!!」
光の波が重力兵装を包む。
その瞬間、グラビティ・ギアの重力核が“脈動を失った”。
「な……重力制御が停止……!?」
ブラックヘイム隊の隊長が叫ぶ。
機体が沈むように地表にめり込み、砕けた岩が逆に宙へ浮く。
(感じる……この星の痛み。
重力を乱されて、苦しんでるんだ……)
レアは歯を食いしばる。
「星の邪魔をしないで……!」
■重力崩壊
グラビティ・ギアの核が軋み、黒い外殻がひび割れた。
『——危険です! 撤退を……!』
遠隔で見ていたクロスの声がひびく。
だが、もう遅かった。
レアの光が、完全に兵装の重力核を“相殺”したのだ。
星と同じ鼓動が、兵装のコアを飲み込んだ。
——ぱん、と。
重力核が光の粒となって弾けた。
敵兵装一体が、完全沈黙。
■レアの身体に異変
「……っ……!」
レアの視界が揺れた。
星核技を無理やり発動した反動が、身体中を走る。
「レア!」
マグニが支える。
だが彼はすぐに気づいた。
(この力の質……これは、ただの“星核の器”じゃない。
導き手——“ルミナス・キー”の性質を……?)
マグニの瞳が揺れた。
(レアは……星を救う者か……それとも——)
■暴走守護者が反応する
レアが発した光に、暴走守護者が震える。
『……アア……アアア……器……チガウ……光……ナマエ……』
その声は苦しみではなく、懐かしさを孕んでいた。
『……主……“レア”……』
レアははっと顔を上げる。
「あなた……名前を……?」
暴走守護者の胸部に埋まった古代紋が、
かすかに青く光る。
赤ではない。
星核の暴走ではなく、正規の守護者の色だ。
「……思い出しかけてる……?」
マグニが低く呟いた。
「レア。君の星核技は……
“守護者の本来の名前を呼び起こす”力を持っているのかもしれない。」
■クロスの焦り
『……レア。君は理解していない。
その力は、世界すべてを巻き込む。
だからこそ、我々が管理しなければならない!!』
クロスの声が荒くなる。
「レア。君がそれを制御できなければ——
星は、そして周囲の惑星系すら崩壊しかねないのだ!」
レアは、胸の前で両手を握りしめた。
「……私は、星を壊すための力なんかじゃない!」
■三者が揃う“戦いの序曲”
レアの後ろにマグニが立つ。
その隣で、壊れかけの暴走守護者が低くうなった。
三つの力が再び揃う。
•星核技を開花させたレア
•真の守護者として覚悟を固めたマグニ
•名を取り戻しつつある暴走守護者
星が、深くうねった。
星核の戦いは、まだ始まったばかりだった。




