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第2章−3 《灼熱の深部:続き》

加筆

ラヴィは胸の奥がざわつくのを感じていた。

——違う、“声”がざわついている。


オレンジの岩壁を照らすソラリスのライトが、小さく揺れた。

地底の熱圧層へ続く縦穴。奥から吹き出す熱風が、重い警告のように肌を刺す。


「ラヴィ……降りるのは本当に危険だ」

アークが低い声で言う。


「わかってる。でも、行かないと」


ラヴィは縦穴の奥を見つめたまま言った。

耳鳴りのように、マグニの“声”がささやく。


——ちかづくな。

——アノ トビラハ アケテハイケナイ。


「マグニは……何を恐れてるんだ?」


古代遺跡リング・ヴォルトだろ」

アークが腕の端末を操作しながら答えた。

「この下が中枢のはずだ。ソラリスが欲しがってる“本命”もそこにある」


ラヴィは眉を寄せた。


「でも……マグニは『危険だから行くな』としか言わない。

ソラリスは『そこに理性なきエネルギー体がいる』と言ってる。

どっちかが、嘘をついてる……」


アークは短く息を吐いた。


「嘘をついてるのは企業側だと思いたいが……お前が聞いてる“声”も、解釈が曖昧だ。

 マグニが悪意を持っている可能性もゼロじゃない」


ラヴィは黙った。

確かに“声”は言葉ではなく、感情の塊だ。誤解の余地は大いにあった。


そのとき——


ドォンッ!!


縦穴の奥で何かが炸裂した。

地面が揺れ、天井から火花が散る。


「まずい……ソラリスの別働隊が先に仕掛けた!」

アークが叫ぶ。


ラヴィの中で“声”が悲鳴を上げる。


——やめろ。

——アノ トビラガ ヒラケバ……

——すべて もどらなくなる。


「アーク! 急いで!」

ラヴィは縦穴に飛び込む。


「おい! 待てラヴィ!」


ふたりは灼熱の深部へと落ちていった。

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