わたし、スーパー可愛いなこちゃん!
静かな部屋にカチカチターンと何かを操作する音が鳴り響いている。そこでは二人の男女が各々好きなゲームをして過ごしていた。二人の間には会話もなくただゲームの操作音だけが響いていた。そんな中、男が口を開く―――。
「なぁ、お前いつまでウチにいんの?ってか、何でウチにいんの?」
「何てこと言うんですか!このスーパー可愛い超人気声優の可愛い北野なこちゃんに向かってー!」
女はまるで憤慨だと言うようにぷんぷんっとSEが付きそうな顔をして言い返す。それを男ははっと鼻で笑いまた口を開く。
「そういうのって自分で言うものじゃなくね?しかも可愛い二回言ってるし――本当に何でウチなんだよ」
「もー先輩はツンデレなんだからー。嬉しいくせにー」
「いや、嬉しいとか嬉しくないとかじゃなくてお前•••死んでるじゃん」
「あ、ミスった••もー先輩のせいでフルコン逃したじゃないですかー!なこちゃん、泣いちゃう••!」
女――北野なこは泣き真似をし男の気を引こうとするが男は一切ゲーム画面から目を離さない。そんな態度になこは頬を膨らましながら再びゲームを再開する。外ではもう蝉が鳴いていた――。