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プロローグ「白き鍵」
初めての投稿です。
よろしくお願いします。
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エルナは、落ちていた。
正確に言えば――空を漂っていた。
真っ白な光に包まれ、記憶も名前も曖昧なまま。
(私……誰……?)
気づけば、手の中にひとつの鍵を握っていた。
白く光るその鍵は、手のひらにぴたりと馴染み、不思議と安心感を与えた。
そして、声が聞こえた。
「白き鍵の乙女よ――王を救い、そして、試練を越えよ」
その言葉とともに、光が弾け、彼女の意識は落下していった。
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kasumisou