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6 ヌオォォォォ…………!!! ノォォォォォ……!!!


 俺が生徒会長を目指した理由の1つは、部活を辞めて暇になったから、という理由が一番大きい(ろくでもねえ)。


 もちろん、世間体を気にしたり承認欲求モンスターでもあるため、そこら辺も含まれている。


 だが、俺が一番生徒会に興味を持ったのは一人の男子生徒のおかげである。


 名前は『外山(そとやま) (こう)


 中学時代に同じ部活であり、けっこう仲が良かった人物である。


 そんな彼は、授業の合間の黒板消しを自分から率先して黙々とキレイにしたり、役割でもないのに提出課題のチェックをするなど、クラス全員からTHE・聖人と言われるほど素晴らしい人格者である。


 しかし、あまり人付き合いが得意というわけではないので、完全に縁の下の力持ちポジなわけで、どちらかといえば陰キャと陽キャの中間にいる人だ。――なのだが、実は彼は半年前の生徒会選挙に立候補しているのである。


 そして、中学の頃から知っている身として、あまり表舞台に出てこなかった光が生徒会選挙に出ているのはとても驚いた出来事だった。


 残念ながら落選してしまったのだが、その時もう一度立候補すると息巻いていたのを覚えている。


 そして、素直にその精神が凄いと心から尊敬していた。


 というわけで




「光、一緒に生徒会選挙に出馬しよう!」


 早朝、授業が始まる前、光の席にいき(実は隣の席)提案を持ちかける。


 やはり、初めて生徒会選挙に出るとなると精神的にも堪えるものがあるだろう。いくら優秀な裏方(裕や杉原さんなど)が俺に協力してくれても、結局壇上に上がるのは俺だけである。


 もちろん、周りには味方などいないだろう。(というか作れない)


 だが、一緒に生徒会選挙に出てくれる人がいれば、『一緒に頑張ろうね!』とか『大丈夫だよ』とか言ってくれて安心できるはずなのだ。精神衛生上、仲間は必須。困難は分割せよってルロイ修道士も言ってたし。



「いやオイラでないけど?」



 え?


「……出ない?」


「いや、前の選挙で悔しかったから出ようかな~とは思ってるんだけど、最近()()が忙しくて」


 部活。そうか部活か……。ははっ。


「そっかー。……本当に? ねぇ、本当に出ないの? 俺出るんだけど」


 目の前に困ってる人がいたら、『しょうがないな~』とかいって出馬してくれたり――


「いや出ないよ。陸、頑張って!」


 あ、これでない奴か。そんなに部活が大事か?(当たり前)


「村陸~、出るんでしょ。応援してないけど頑張って」


 そこに、キショキショの実を食べたキショ人間、マサルが入ってくる。


「……よしマサル。一緒に選挙に出よう!」


「キショォォォォ!! ――出るわけないやん」







● ● ● ● ● ●






 家に帰宅し、早速ラインを確認する。そこには裕からのラインが入っており、早速確認しては原稿に修正を加えていく。



「――もしもし裕? これでどう?」


『あーまあ。最初よりはマシになったわ。でも、こことここ、ダメね』


「はい」


 言われた通りに原稿を直す。いつの間にか原稿は消しゴムとシャーペンの跡だらけでくしゃくしゃになってしまっている。まあ、かれこれ毎日3時間以上、加筆修正してるから当然といえば当然か。


「ああ、そうそう。現生徒会の人と協力関係になれたんよ」


 話が一段落し話題を変える。


『へー、良かったね』


「でさ、そろそろ俺も第三関門に来ると思うんよ」


『なにそれ?』


「いやさ、そろそろ噂になると思うんよね。生徒会長を狙ってる人の情報」


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