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生徒会長になりたいイキり陰キャの究極形態!  作者: 好きな言葉は酔生夢死、家から3歩出ることで毎日の運動タスクを消化し、健康的課題の高血圧については24時間断食することで対策を完了させている、200歳まで生きることが超確定した、常識はずれのバケモン。
一部
17/17

17 あっけない幕引き


 その後、特になにもなく俺は生徒会長になった。


 もちろん、俺は生徒会長という名誉だけが欲しかっただけで、公約の実現をする気などさらさらない。




 教科書の置き勉? 各部活へのマネージャー?




 やるわけがないでしょう。そんなめんどうなこと。


 お陰でクラスの皆からは『ハリボテ会長』やら『お飾り生徒会長』と呼ばれることになってしまったが――まあ、それでも俺の友達でいてくれる。


 ありがたい限りだ。


 生徒会長の仕事というのはかなり面倒だった。学校に来賓がきたらお礼の言葉を言わないといけないし、学校行事(卒業式や入学式)があるとすぐに駆り出される。


 だが、部活に比べたら楽なもんだ。



 そんなこんなで、歴代の生徒会長の中でも最高の無能として残るであろう俺は今日、生徒会長退任式をしている。


 そう、時が経つのは早いもんで、今はもう既に新年度の4月だ。もちろん3年生は卒業し、新1年生が入ってきている。


 そして俺は最高学年の3年だ。


 3年の生徒会長、ということで向けられる眼差しだけはとても気持ちがいい。




 え、前期も生徒会長やらないのかだって?




 やるわけがないですよ。


 だって俺が生徒会長になったのは世間体と暇だったからであって、真面目な目的など1つも存在しない。一度でも生徒会長になっておけば、今後一生このネタを擦れるし、後腐れもない。


 あ、そうそう。新しい生徒会長だけど、篠田さんじゃなくて、副会長だった人が新しく生徒会長になった。


 いやー、そもそも立候補すらしなかったらしいけど一体なにがあったんだろうね?


 まあ、彼女はもう二度と生徒会長になれないのだ。



(あー、他人の人生メチャクチャにするのキモティーーーー!!)





「――元生徒会長、村山 陸さん。お願いします」


「はい」


 司会に言われ、俺は壇上に上がる。そういえば、今は退任式だった。


 なので、非常に面倒くさいが退任の挨拶をしなければならない。


 しっかりとマイクのスイッチを押すと、退任の挨拶をする。




「皆さん、今まで僕についてきてくれて―――」




 まあ、当たり障りのないことを並べて、俺は最後の言葉を言い終えた。



(さて、あとは受験に向けて勉強するだけか)



 まだ終わってすらいないのに、俺は別のことを考え始める。まあ、こっち方が余程有意義だし。


 退任式が終われば、なぜか生徒会は呼び出され、先生達のつまらないお話を聞かされた。

 しかも、元生徒会メンバーで今までのことを振り返る時間まで設けられてしまった。面倒この上ない。


 まあ色々あったが、それでもこの半年は悪い時間ではなかった。


 特に1月2月は色んな意味で最高だった。


 それに、生徒会長としてチヤホヤされるのは俺の承認欲求を確実に満たしてくれていたし、言うことなしだ(特に何もしてないけど)。


 生徒会長って穴場だよな~。






● ● ● ● ● ●






「えっと――サイタコスモスコスモスサイタ。±は反対――と。加法定理は暫くやらないと忘れるからなー。定期的に公式は覚えとかないと」


 その日の帰り道、参考書を開きながら、俺は家路についていた。


 最近、数学が得意になってきており、今、とてもブームが来ているのだ。


 これを利用しない手はない。


(さあ、家に帰ったらバンバン問題解くぞ~)


 受験勉強に向けて、俺はとにかく参考書に夢中になっていた。




(うん? なんか変な音が――)





 だから、気付けなかった。





 俺のすぐ目の前、居眠り運転をした大型トラックが迫っていることを。





「…………あれ、これ死ん――」





 そしてそれは一瞬だった。トラックは無慈悲にも俺の体に見事に激突した。その瞬間、俺の血肉や四肢が辺りに撒き散らされる。


 痛みを感じなかったのは僥倖だっただろう。




 かくして俺、『村山 陸』の人生はここであっけなく幕を閉じたのだった。


 今まで付き合って下さりありがとうございました!

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