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生徒会長になりたいイキり陰キャの究極形態!  作者: 好きな言葉は酔生夢死、家から3歩出ることで毎日の運動タスクを消化し、健康的課題の高血圧については24時間断食することで対策を完了させている、200歳まで生きることが超確定した、常識はずれのバケモン。
一部
16/17

16 ためるねぇ


「さて、まずは皆さんお疲れ様でした」


 結果を持ってきた石田先生は笑いながら生徒会室の中央に移動する。



「さて、早速ですが結果を発表します。まず、信任投票だった、副会長、書記、会計から」


「おおぉぉ……ためるねぇ」


 書記(仮)の名前も知らない男子生徒が合いの手を入れてくる。確かに、すぐに生徒会長の結果を話さない辺り、この人は山場が分かっている。





「全員、信任でした。これから、生徒会メンバーとして頑張って下さい」





 俺と篠田さん以外全員が、安堵のため息を漏らす。


 ほぼ確定演出でなれるとはいえ、一抹の不安があったのだろう。まあ、篠田さんと俺の心情に比べれば可愛いもんだが。



「で、次に生徒会長ですが……どうですか2人とも。自信はありますか?」


(おおっと!? 先生、ナ~イスクエスチョン!)




「ありません!」




 俺は篠田さんよりも早く、声を大にして答える。多少自信がなさそうに見せるため、不機嫌そうな顔もトッピング。完璧な演技すぎるな。





「あります!」





 続いて篠田さんが答える。まあ、俺の態度を見ていれば嫌でもそうなるだろう。


 自信に溢れたその顔で、篠田さんは結果が表示されてるであろう先生のタブレットを見る。



「はい、ありがとうございます。では、結果は――」


















「――村山に任せたいと思います」

















「え? 俺? 俺ですか?」


 最初に驚いた顔を出しつつ、俺はなるべく大きい声で何度も事実を確認する。


「はい、村山です」


「ホントの本当ですか? 聞き間違いじゃなく?」


「間違いなく村山 陸です」


「……すうぅぅぅぅ……ホントに僕ですか?」


「じゃあ、辞任しますか?」


「いえ、しません」


 にやける口を必死に抑えながら、チラリと篠田さんの方を見る。


 まるで信じられないものを見るような目だ。




(ダメだ。まだ笑うな。――ププッ)




「じゃあ、以上の6人で後期生徒会は始動するので、よろしくお願いします。直近だと中学生の体験入学があるので頑張りましょう。では、篠田は残って、あとは解散です」




 その言葉を聞き、俺たち()生徒会は荷物をまとめて生徒会室を出る。そして、生徒会室が見えなくなった瞬間、堀田さんが思いっきり肩を叩いてきた。



「やったじゃん陸。おめでとう」


「ありがとうございます。でも、なんか少し篠田さんに申し訳ないというか……」


 やるせない気持ちをこれでもかと表現しつつ、堀田さんに受け答えする。


「ああ……でも、そういうこと考えたらよくないと思うから、自分に自信持ちな? 一緒に頑張ろ? 私も陸に投票したからさ」


「あ、ありがとうございます!」


 その後、部活がある堀田さんと別れ、俺は1人家路につく。



 そして、周りに人がいないのを確認する。









「うふっ……! ククッ! うおっしゃゃゃああああ!!! あー、笑いがとまんねえぜ。気持ちイィィィ!!!! ザマア見やがれ~。雑魚がぁぁぁ!! お前のプライド、ボロボロだねぇぇぇええええ。ウアアアア、たまらねぇぇぇぇええええええええええええええええ!!!!!!」









 周りにいたカラス達が一斉に逃げ出すほどの声を出して、俺はスキップしながら歩みを進める。


 



 えー、では。俺がなにをしたのか簡単にお教えいたします。



 まず、俺の目的から。


 それは、俺を侮辱した篠田さんにそれ以上の屈辱を返すこと。


 この目的は、選挙の演説が始まる直前に決まったものだ。(だってその時にバカにされたからね)


 で、どうやったら見返せるか?


 当然、俺が生徒会長になるのが一番なのだが、それだけでは満足できなかった。


 だから、あえて俺は『生徒会長になれないわ~』という態度をとった。


 当然、篠田さんは、俺の迫真の演技とマイクのオンを忘れたことを鑑みて、本当に俺には自信がないのだと思ったことだろう。


 生徒会室で俺に話を振ってくれた堀田さんのお陰で、俺の胸の内まで自然な形で吐露できた(純度100%の嘘だけど)


 それに加えて、石田先生の『自信はありますか?』の質問。あれに爆速で答えたことで、より確実性が上がった。


 自分が絶対に生徒会長になれると篠田さんは勘違いしただろう。事実、あの瞬間だけは篠田さんは満ち足りた顔をしていた。


 それが、次の瞬間には絶望の底ですよ。自分が絶対になれると思っていたのに、実はなれないというのは一番の屈辱だったことだろう。


 しかも、おまけで何度も何度も事実確認をしてあげたし、実質あれはデザートだね。




 え? でもそれってお前が生徒会長になることが分かってないと出来なくないかだって?




 確かに、俺が落選していたらただ恥ずかしい存在が生まれただけだろう。


 だが、そんなダサいこと、俺は考えてすらいない。選挙が終わっても投票が終わっても、俺は、自分が絶対に生徒会長になれると、ただ信じていただけだ。


 だから、俺の中でこの作戦は確実に成功するものだった。




 まあ、なんやかんやあったけど、結局は俺の勝ち。


 いや、俺たちチームの勝利ってやつかな?


 流石に無理?


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