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生徒会長になりたいイキり陰キャの究極形態!  作者: 好きな言葉は酔生夢死、家から3歩出ることで毎日の運動タスクを消化し、健康的課題の高血圧については24時間断食することで対策を完了させている、200歳まで生きることが超確定した、常識はずれのバケモン。
一部
15/17

15 いや、最初からそのつもりだったけど?


 教室の中へと入れば、既にクラスメイトの大半がいた。


 その中で、一緒に校門前で広報活動してくれたカキベが近づいてきた。



「いやー、陸君良かったね。途中でマイクのスイッチを押さずにそのままやったのは良い判断だったよ」


(うぉおぉぉい! バレてーら)


 まだ投票が完了してない状態でそんなマイナスなこと(そこまでマイナスでもないけど)言うんじゃないよ。


「いや違うよ。もともとマイクなしでやるつもりだったんだよ。マジで。少しは生徒の印象に残ったんじゃない?」


「ふ~ん。まあ、いいけど」


 あ、これ信じてないやつだな。まあ、そっちの言い分、100%真実なんだけど。



「はい。投票用紙配るので、皆さん席について下さい」


 選挙管理委員の人が前に出て紙を配る。


「無効投票はなるべく避けたいので、しっかりと記入してください」


 俺はなんの迷いもなく『村山 陸』の欄に○をつける。



「はい。じゃあ回収するので封筒に入れて下さい」


 その後、前の教壇に置かれた封筒に投票用紙を入れる。そして、選挙管理委員は中身を確認すると、そのまま出ていった。どこかの教室で中身を確認し集計を出すのだろう。





(やっと……山場を越えたぁぁぁぁ)





 これで、もう俺がどんな態度をとろうが結果は変わらなくなった。





「ああぁぁぁぁああァァァ!!!???!?!」





 ということはつまり、おもいっきり奇声を上げて床に転がっても問題ないわけだ(大アリ)。



「村陸、とりあえずお疲れ。結果とかっていつ発表されるの?」


 そこにマサルと愉快な仲間達がやってきた。


「えっとね……。立候補者には今日中に結果が発表されるから、この後皆が帰った後だね」


「え? じゃあ後でグループラインで送ってよ」


「別にいいけど……もし俺からラインがなかったら察してね?」


「いやいや、村陸会長なら絶対なれてますよ。頑張って」


 もう頑張ることなどないのだが、山さんは励ましてくれる。


 いや、正確にいうと、俺個人としてはやるべきことがある。




 え、なにかって?




 ヒントは、俺は確実に生徒会長になれるって思ってるところかな。






● ● ● ● ● ●






 クラスの皆と別れ、俺は事前に知らされた場所へと赴く。生徒会室だ。


 なんでも、ここで結果を発表するらしい。


 もしかしたら、一生に一度だけ、この部屋に入ることになるのかもしれない。


 部屋には既に俺以外の6人が集結していた。



「あっ、陸来た。……顔、大丈夫?」


 堀田さんは俺が来たことに気付くが、顔を見るなり怪訝な顔をした。


 そう、俺は今、この世の終わりかのような顔をしている。


「いや、もう、大丈夫じゃないよ。演説中にマイクをオンにし忘れるし、声も小さかったような気もするし……」


「い、いや。全然良かったよ」


 必死に慰めてくれが、その顔は大丈夫だとは思ってない顔だ。



「そ、そうだ。皆でゲームでもしない? ちょうど生徒会室にトランプがあるし」


 副会長(仮)がそんな提案をしてくる。だが、俺は近くの机に突っ伏しながら、ただ空を見上げるだけだ。


「お、いいねぇ。やろうやろう」


 しかし、俺以外は皆、ゲームに興味があるのか、全員1つの机に集まり始める。


 そして、俺を除外した6人でゲームが始まった。


 あと、言い忘れたのだが、今のこの時間は先生が集計結果を持ってくるまでの待ちの時間である。



「――あっ! 私の勝ちだ」


 そして数十分後、俺を除外した6人で順位が出たらしい。1位はあの、篠田 千波さんのようだ。


(お願い! その辺りで俺に声をかけて!)


「ねえ? 陸も入らない? 楽しいよ?」


 そこに、堀田さんが俺を心配してか、ゲームに誘ってくる。




(ンナァぁぁァアああアいスゥ!!!)




 必死に溢れそうな笑みを抑え込み、なるべく不機嫌そうな声を出す。




「そりゃ楽しいと思うよ? だって、俺と篠田さん以外は確定でなれるんだからさ。でも、俺は違う。演説で色々とやらかしたし、正直、ここで会話をするのが最後になる確率が高いのも多分俺。どうせ俺は落ちてるだろうし、ははっ! 笑えるね」


 自嘲気味に笑いつつ、皆の反応を見る。よしよし、空気が重くなったな。それに、篠田さんも少し申し訳ない顔をしている。



「でもさ、生徒会メンバーになれなくてもゲームはしてみようよ? 楽しいからさ。それに陸も暇でしょ?」


 しかし、そこで俺の予想とは反して副会長(仮)がなおも誘ってくる。


「いやでも……」


(ごめん、正直めんどいから誘わないで欲しいなー……)


「いいじゃん。それに、生徒会に入れなくても同じ学年なんだから、仲良くしよ?」




「……あ……じゃあ……。……………………やらせて頂きます」




 流石にそこまで言われては断るわけにもいかず、渋々俺も輪の中へと入る。


 数十分後にはこの中から1人抜けているというのに、随分と悠長だ。


 いや、もしかしたら俺が落ちるのが確定だと思ってるからある程度の精神衛生が保たれてるのかもしれない。



 その後、俺はババ抜きで5連勝するなど、まあまあな善勝をした。


 そして、ちょうど5回目が終わったところに、結果を知らせる教師がタブレットを持って現れた。


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