初めてのピクニック
トントントン、ジュー…カチャカチャ…
私は弁当を作っていた。急遽決まったピクニック。勿論準備は一切しておらず、便利な冷凍食品もない。朝日がやんわりと差し、エアコンを付けなくても過ごせる快適な空間で、必死な顔をして準備をした。
ようやくパパが起き、息子のりーくんはギリギリまで寝かせることにした。
「弁当作ってるの?張り切ってるねー、コンビニとかでいいのにー」
「初めてだし、作って見たかったからね」
なんやねん、コンビニって!頑張ってつくってるのに!
なんてことも言えず朝ごはんの準備をした。
二人で天気予報を見ながらご飯を食べていると、お気に入りのバスタオルを引きずりながら起きてきた。私たちの顔を見た瞬間泣き、パパに抱っこされた。というか、パパの顔を見て安心したからだろう。
息子はパパっ子で、私のところには一切来ない。素通りされる度に泣きたくなる。
息子は少食で、特に朝は2口しか食べない。
テレビで機嫌をとりながらパパがご飯を食べさせている間に、支度ができた。勿論日焼け対策はバッチリだ。
急いで息子に服を着せ、パパの大きな車で少し遠くのピクニックスポットへ出発した。