この世界の始まり
この世界は、多種多様な生物が暮らしている。その人種の元となった生物達や進化せずに森に住む動物達。もしくは、生態系に何らかの変化が起こり、動物が魔力を持ち、別個体へ進化してしまうなど様々だ。その魔力を持った動物、通称「魔獣」は、人と森、そして世界の均衡を保つ為に、冒険者と呼ばれる人たちが毎日のように討伐している。だか、そんな魔獣もただで倒される訳ではない。冒険者には、犠牲が付きものだ。
冒険者にも、農民や商人などのように様々な職種がある。例えば、世界で5人にのみ与えられる勇者。そして誰でも努力することでなれる剣士、銃士、射手、魔術師、ビーストテイマーなど様々だ。特に魔術師は、名前の通り魔術を使う。この世界では、簡単な魔術のみを扱う人のことを魔法使い。大規模な魔術を使用可能な人のことを魔術師という。なぜ、人間が動物たちのように魔獣化しないのか。それは、この世界が出来た、今からおよそ500年前、神の創生によって5人の人間がこの世界に降り立った。その5人は、すでに魔力に耐性があり、魔法などを生み出していったと記録されている。
そんな中、この世界である噂が広まった。「人間同士の殺し合いで死亡しても、その数分前の出来事が記憶から消え、そして生き返る」と言うものだ。ほとんどの冒険者は、噂に過ぎないと思っているようだが…。
こんな噂がある世界に一人の冒険者が誕生しようとしていた。これは、一人の新人冒険者が仲間を作り、この世界と少年自身の秘密について真実を知る物語である。