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三洲華大学クトゥルフ神話探偵部  作者: 向陽日向
第三章 地上の太陽と原初の魔王
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メインディッシュはすぐそこに

「――ご苦労。残りのタスク処理も期待しているぞ」

 ハリ湖畔でハスターの胎動に見惚れていたとき、クトゥグァから蜂蜜酒を奪取したという連絡が入った。


 これが失敗連絡だったらうお座のフォマルハウトに追い返すところだった。


 それにしてもハスターの食欲は留まるところを知らぬ。

 天に浮かぶ二重の月が照らす暗黒湖は、ここ数年で一番の滾りをみせている。

 続々と誘われるエサを掴むや祝杯のように高々と掲げ、水底へ引きずり込むのだ。その姿はまるで、【窮極の門】を越えた先であざ笑っているであろう【外なる神】どもに向けた挑発行為ともとれる。


 興奮を湛えた風が吹き抜け、水面を撫でていく。それは主であるハスターの復活を何よりも心待ちにしている眷属たちの声に他ならない。

 絶頂する御前にもかかわらず、興奮を妨げるノイズが不意に生まれる。

 奴らは何故蜂蜜酒を必要としているのか。時空の束縛を絶たねばならぬ理由――。


「ほう……なるほど」

 これを天啓と呼ばずしてなんと呼ぶ!

「どうりで死体が出ないわけだ。とち狂ってくれるなよ。貴様らこそ、ハスター復活のためのファイナルピースに相応しい下等生物なのだから!」


 私は信者どもを呼び寄せ、声を張り上げる。


「目障りなネズミたちが紛れ込んでいる可能性が高い。探し出し、ここハリ湖畔に連れてこい。くれぐれも殺すな。奴らの恐怖に駆られた魂が最後の仕上げなのだからな」

 信者どもの号令と同時に、暗黒の水底から視線を感じた。

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