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三洲華大学クトゥルフ神話探偵部  作者: 向陽日向
第三章 地上の太陽と原初の魔王
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表と裏

『――ニュースを続けます。昨日二十五日、R県N市にある国際森林園で大規模な火事が発生し、敷地面積の大半を焼く被害が出ました。観光客からの通報を受け消防が駆け付け火はおよそ五時間後に消し止められましたが、焼け跡から身元不明の一人の遺体が発見されました。さらに警察によると、実習で訪れていた大学生三人の行方がわかっていないとのことです。防犯カメラには園に入る三人の姿が映っていることから、この三人も火事に巻き込まれた可能性が高く、遺体の身元確認と並行して捜査が進められています。では現場から中継です――』


 肩慣らしのつもりが、少し張り切り過ぎてしまったらしい。

 憎きニャルラトテップの肉塊とはこれまた滑稽ではないか。【外なる神】どもは今や大慌てだろうか。いや、奴らがこの程度で動じるわけがない。


 今こそクトゥルフを蹴落とし、ハスターを旧支配者(グレートオールドワン)筆頭に押し上げるのだ。そしていつの日か【外なる神】どもによる支配に終止符を打ち、ハスターが全宇宙……、ぬるい! 全時空、全次元を支配する存在となるのだ!


 ぬかったイタクァが倒れた今、このクトゥグァこそがその副王の名に相応しい。


 さて、そろそろ警察の捜査が始まる頃だ。

 実習は中止せざるを得ないが、一部の学生は瞳を輝かせ観光に精を出す始末だ。いつの世もヒトの子は変わらぬ。大学に戻ったらもう一仕事だ。連れの柔道娘はどうとでもなるが蛇人間の女は野放しにしておくと後々面倒だ。肩慣らしは済んでいるから、次はもう少し盛大にやろう。


 教授への連絡を済ませ、ニュース中継の後にまあまあ顔が良いキャスターが天気予報を伝えているとき、部屋の扉を叩く音がした。


「朝早く失礼します。R県警の者です。今回行方不明になった学生らの引率の方で間違いないですか?」

「ええ――ミスカ大学の歴史文化学で教鞭をとっている、忍川礼一郎と申します」


 私は仮初の名刺を取り出す。

 邪魔者が消えた今、我らが支配権を握る日は近い。

 すべては【名状しがたきもの】ハスターのために。

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