殺戮王女が染め上げる
人の血で真っ赤に染め上げられた鮮血城
そこに殺戮王女は住んでいる。
でも、誰も彼女を殺せないし、倒せない。
その凶行を止める事はできない。
「その城では、知らない間に人が消えていくのさ。消えた人間は、記憶の中からも消えてしまう」
お城を真っ赤に染め上げる。
目に鮮やかな、真っ赤な血。
人の血、誰の血、私の血?
とっても、とっても鮮やかだから。
だんだんまぶしく見えてきて。
だぁれも直視ができないの。
みんながみんな涙を流す。
どうしてそんなに泣いてるの?
「殺戮王女がいたからよ」
お城が真っ赤に染まってく。
多くの人が倒れてく。
だぁれも、だぁれも気が付かない。
人が消えても気が付かない。
分からないのは消えてから。
誰かがいたの?
誰がいたの?
「名前も知らない」
「顔も知らない」
誰かがいたのに。
分からない。
今日も誰かが倒れてく。
お城が真っ赤に染まってく。
鮮血城は染め上がる。
犠牲者の血を含んで、どんどんどんどん。
その色は、赤く、赤く、鮮やかに。
目をそらしたくなるほど、真っ赤に染まっていく。