カクヨム vs 小説家になろう
「じゃ、最後に簡単に小説家になろうと比較してゆっくり解説も終わるぜ」
「ん、いや、うp主が周りがコンテストで盛り上がっている中で自分は何をしているんだろうとか、我に返ってしまったようで、そろそろ小説を書きたくなったらしい」
「そういえば最近小説書いてないわね。あきらめたかと思ってたわ」
「『私はデータ分析卿をやめるぞージョジョ──ッ!!』とかほざいていたぜ」
「まぁうp主のことはどうでもいいんだ。カクヨムや小説家になろうは単体ではよく議論されているが、比較したデータってあんまりないので作ってみたぜ」
「カクヨムはAPIとかないもんね。スクレイピングを使える程度の能力がないと厳しいものね」
「そして、グラフにしてまとめる程度の能力もないとな。じゃぁそろそろ始めるか。まずはユーザー数の推移だな」
「ちなみに小説家になろうは去年1年でカクヨム1個分の成長をしているぜ」
「え、全部5.6倍くらいなの。サイト規模に比例するのかしら」
「どうやらそのようだな。要するにユーザーの特性が同じってことだ。作者率や、作者一人当たりの投稿数が同じじゃないとこうはならないぜ」
「では、投稿された作品の分類だな。カクヨムには短編という区分がないから、1話完結の作品を短編としているぜ」
「カクヨムはコンテストや企画が多いからな。恐らくその影響だと思われるぜ。ジャンルについても比較してみるぜ」
「そうだな。最初のころに横浜駅SFやオレオといったSF小説を売りにしていたからな」
「それに最近だとリビルドワールドを電撃《新文芸》スタートアップコンテストの大賞に据えたからな。結構SF作品を推しているぜ」
「レビューの項目でも行ったが、公式がレビューを盛り上げているからな。その影響で多いようだぜ。ただ書く人の種類はそう変わらないようだぜ」
「レビューの書かれやすさはシステムに依存するようだな。もし、なろうも公式がレビューを推奨したりすると書かれやすくなるかもな」
「ないかもな。まぁ、次に行ってみるか。次は評価だな。評価の累積度数を出してみたぜ。☆数となろうの評価ptを合わせるために☆数×10 /3しているぜ」
「カクヨムの方が低評価割合は少ないのね。でも途中から入れ替わってるわね」
「評価が0ptなのはなろうの方が多いが100pt。大体10人以上の評価はなろうの方が多いようだぜ。恐らくだが、ランキングの効果ではないかと思ってるぜ」
「次にジャンル別にptや☆数をカウントしてみたぜ。どのジャンルに評価が集まっているか比較したぜ」
「なろうのファンタジー半端ないわね。半分の評価を得ているわ。確か作品としての割合はカクヨムもなろうもそんなに変わらなかったはずだけど」
「SFや文芸で勝負するならカクヨムの方がいいのかもしれないわね……」
「ファンタジーであればなろうで書いた方がよさそうだな。ということで次は文字数だな。作品の文字数分布を比較したぜ」
「これもよく似てるわね。ただ17万くらいのところにカクヨムはポンと出てるわね」
「10万~17万くらいはラノベ1冊分の分量だからな。カクヨムのコンテスト用に書かれた作品が多いのだろうな。やはりカクヨムを利用する目的としてコンテストが重要視されているのだろうぜ」
「そうだな。投稿される作品の傾向やタイトルの付け方なんかは結構似通っているようだな。投稿時間も比較してみよう」
「大きな傾向はよく似ているわね。でも小説家になろうは夜更かしさんが多いのかしら」
「なろうは若干遅い時間帯にシフトしているな。もしかしたらカクヨム利用者の方は会社員が多いのかもな」
「投稿時間を見たから投稿分も見てみるぜ。ちなみになろうは1時間間隔の予約投稿、カクヨムは分単位の予約投稿が可能だぜ。そんな両者を比較するとどうなるか見てみるぜ」
「なんなの? ほとんど同じじゃない。カクヨムって分単位で予約できるのよね?」
「結局予約する人は0分を好むみたいだぜ。予約投稿を分単位にしても結局同じような分布に落ち着くようだな。ちなみに0を除くとこうなるぜ」
「あら、やっぱりここは異なるのね。少しだけど、カクヨムの予約投稿が聞いているのかしら」
「そうみたいだな。正直予約投稿は15分間隔くらいで十分のようだな。正直1分間隔にしても使う人はほとんどいないようだぜ」
「かなり似ているわね。似てない部分がカクヨムの特徴ってわけね」
「そうだな、レビューの多さ、ファンタジー以外のジャンルの強さ、連載作品の多さ、10~17万文字の小説の多さ、コンテストの開催あたりがカクヨムの特色だな。まぁ作家自体の特性はそんなに変わらないようだが」
「今のままじゃ無理だな。ただ、カクヨムが面白いことをしようとしているぜ」
カクヨムの新たな取り組みについて
https://kakuyomu.jp/info/entry/kakuyomu_mid-term_plan
「2019年4月1日にカクヨムが発表した今後の取り組みについてだぜ。いつ実現するかは不明だが、将来的にそうなるらしいぜ」
「え、カクヨムで広告や投げ銭ができるの? それなんていうニコd
「それいじょうはいけない」
「そう思ったんだがな、きちんとカクヨムでお知らせしているからな。どうやらほんとのことらしい」
「だが作者だけだな。これらは作者のメリットでしかないな。ユーザーの比率を見てわかる通り、85%は作者以外だな。もし、ユーザーを増やしたいなら読者に効く政策を立てなければいけないのだぜ」
「そこから考えてもそれだけでは、なろう打倒にはちょっと弱いかもな。ただ、カクヨムが投げ銭できるようになれば、流れは変わる可能性は結構あるな」
「そういえばマグネットっていうサイトも投げ銭できるんじゃないの?」
「そうだな。あっちもうp主がデータ集めているからわかるが、投げ銭をするようなユーザーはユーザー数の2~5%程度だな。しかも額が大きくなるのは1%未満程度。ほとんどは100円くらいしか投げないようだな」
「投げ銭や広告収入で生活レベルまで稼げるようになるのはほんの一部だな。まぁこの流れはニコニコ動画が一回通った道だからな。大体夢見て果てるぜ」
「そういえばうp主もボカロpで印税生活目指してたこともあったわね。結局どうなったのかしら」
「まぁここにいる時点で、察しだな。出版にしても、投げ銭にしてもまとまった額を稼ぐのは厳しいってことな」
「まぁ、そういった出版以外の稼ぎ方ができるようになってきたのはとても喜ばしいことだな。選択肢が増えるのはいいことだぜ。ということで、カクヨムをデータ分析してみたが、何かの参考になればいいな」
「まぁ何でもいいがな。じゃぁな。好評だったらまたやるらしいぜ」