新たな発見
本当に不定期更新で申し訳ありません!
これからもこのスピードでのんびりと書きますが、よろしくお願い申し上げます。
「失礼します。あの……」
ノックはせず扉の前で、周りを見渡しながら慎重に声をかけた。
すると、ガラリと保健室の引き戸が開き誠先生に手招きをされる。
私は、それを見てれ保健室に入室した。
「すぐ鍵閉めて。ほら、早く」
「えっ、あ、はい」
一声目から命令口調で、先ほどとの様子と違うことに驚き急いで後ろ手で扉を閉じる。
誠先生は椅子に座りながら、じっと真剣な眼差しをこちらに向けていた。
鍵を閉め終えるのを確認すると、椅子から立ち上がり扉へ向かっていく。
そして鍵と外の音を確認すると、また先程いた椅子に座った。
「そこに突っ立ってないで、ソファーに座りなよ。」
「あの……お話って……?」
「説明もある話だから、とにかく座って。」
そう言って、誠先生はソファーを指差しながらにこりと笑みを浮かべていた。
それに少し怖さを感じながらも、私は言われる通りにソファーに座る。
「……さて、君を呼んだのには理由がある事は聞いてると思う。」
「はい。なんか、バレないようにと」
「……そうか。立木先生の言う事を守ってこれたのは偉いな」
言葉にホッとするように優しい笑顔を浮かべながらも、目の奥はまだ真剣な様子だ。
私は緊張で、体が強張り若干俯いてしまう。
そんな私に誠先生は優しく声をかけた。
「大丈夫。そんな強張らせてたら失敗してしまうよ、リラックスして」
「は、はい」
「そんな難しい事はしないさ。」
その言葉で顔を上げて誠先生を真っ直ぐに見据える。
すると、そっと私の手を誠先生が撫でてきた。
「えっ!?ちょ、っと……!」
「……うん。やっぱりそうだ。君、才能二つ持ちだね」
確信を持てたと言わんばかりに嬉しそうに言う姿を、理解が追いついていない私は、ぽかんと見つめる。
「あははっ、キョトンとしすぎて口開いてるよ?」
「ひ、開いてません!そんな事より話聞かせてください!」
「あー、そうだね。ごめんごめん。」
言葉に焦って、少しムキになって否定し話を変えたくて本題を振った。
すると、誠先生は至極真面目な顔に戻り話始めた。
「簡単に言うと、君は攻撃と回復の二つの能力を持った唯一の存在。と言う事だ」