授業再び
全然書けていなくて申し訳ありません……
自己紹介が終わると、生徒会長が続けるように言った。
「そういえば、先生が君の事を呼んでいたよ?何だかすぐにきて欲しそうだった」
「先生が?」
首をかしげる様に聞き返すと、生徒会長は笑顔で頷いた。
そして続ける様に言いながら、眉を下げる。
「その……少し言い難いんだけれど、居眠りしてて聞いてなかっただろうからって。」
「あっ…!」
言葉にハッとして、私は自分の口元を手で押さえながら2人をキョロキョロと目だけで見た。
すると、廻くんは苦笑して聖ちゃんは大笑いしている。
顔が熱くなるのを感じながら、私は急いで職員室の方に走り出した。
後ろからは、頑張ってねー!という明るい聖ちゃんの応援が聞こえた。
「すみませんでした!!」
走りきり職員室に着くと、ガラリと扉をあけて息を切らしてそういった。
自然と声が大きくなっていたのか、用のあった立木先生以外の他の先生達も、驚いてこちらを振り返った。
そして、立木先生が席から立ち上がりこちらに向かってくるとこう言い放った。
「職員室に入るときには、ノックしてから失礼します。でしょ?やり直しなさい」
「へ……?」
「いいから。」
真面目な顔でそう告げられると、そのまま職員室から追い出されてしまった。
何故だかわからない気持ちを抱えて、思わず唖然としてしまう。
少しの間息を整えて、落ち着かせてから扉をノックする。
「失礼します、立木先生いらっしゃいますか?」
「ええ。何か御用かしら?」
その手順を踏んだだけで、立木先生は先ほどとは打って変わりきちんと答えてくれた。
「あの……先ほどの授業の件で……」
「あの事ね。じゃあ空き教室の方へ行きましょうか?」
席を立ち上がり近づくと、立木先生は着いて来なさい。といって先を歩いていく。
その言葉通り着いて行き、暫くすると空き教室に着いた。
「そこの席に座って?先程話した授業をきちんと話直すから。」
「すみません……なぜか意識飛んで……」
「来たばかりだから仕方ないわよ。私がそうさせたんだから」
「ありがとうございます……え?」
「今から話すから、座って」
質問は受け付けない、と言いたげな目を向けられながら私は席に座る。
すると、立木先生は教科書を私の机の上に置いた。
「ここは、ディーフェルシュングという名前の王国なの。とても平和な王国だったのだけれど、5年前に前国王が亡くなり王位が息子に引き継がれた途端に、魔物が現れるようになって、この学園ができたのよ。」
そう言ってから、黒板の方に向かい簡易的な学園と国の相関図を描いてくれた。
「この学園は、その魔物を倒すことが唯一出来る魔武器を支える子達だけが通える学園。貴女の二丁拳銃もそれよ。ほら、出してみて」
「出してって言われても……中々出せなくて」
「手に銃を受け取る感覚で、手に集中して。」
言われる通り、手に集中をしてみてるとどんどんと手にほんのりと熱くなって来た。
そのまま集中し続けると、私の魔武器である二丁拳銃が現れた。
「あ!本当だ!」
「ほら、出たでしょ?今後はこれを意識してみなさいね」
「はいっ!」
出てくれたのが嬉しくて、思わず声が弾んでしまうと立木先生は眉を下げて笑う。
「じゃあ、話を続けるわね。最初こそ魔物が現れても大した被害はなかったのだけれど、王位を継承してから1年経った頃あたりに、いきなり特定の時に暴れるようになったのよ。」
「特定の時……?」
「そう。国王が民衆の前に出るタイミングの記念日とかにね。」
立木先生は、カツカツと黒板にカレンダーを書いて見せた。
記念日らしき日が分かりやすいように、その日だけは赤色にしてくれている。
赤色の日だけ数えてみると、どうやら一月に7日あるらしい。
「だから、その時には貴女にも魔物討伐に出てもらうから。その為にきちんと今度は寝ずにね?」
「は、はい……すみません」
くるりと振り返ってから笑顔でそう言い終えると、私に近づいて来た。
「それから……この後にすぐ保健室に向かって。絶対他の人にはバレないように。良いわね?」
「え、なんでバレちゃいけないんですか?」
「良いから。ほら、早く行きなさい」
保健室の場所を軽く伝えられると、また追い出されるように背中を押され、立木先生も空き教室から出て行ってしまった。
私は、また唖然とすることになってしまうのだった。