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ようこそ、キャラ学園へ  作者: ああああ
1章 メインヒロイン編
5/8

魔法武器

様々なアドバイスや感想ありがとうございます。

これからも参考に頑張りますので、よろしくお願いします。

保健室から教室へ向かう道。

やはり午後授業の時間だからか、教室からか校庭からしか声があまりしなくてなんだかソワソワしてしまう。

特に先ほどから時々感じる、嫌な気配はなんだろう?

ぞわぞわと正直に言って、気持ち悪すぎる。

そう思って、ピタリと止まってしまった私に聖ちゃんは優しく声をかけてきてくれた。


「ねえ、ゆうちゃん顔色すごく悪いけど大丈夫…?今日無理して出ることもないのよ?」

「…ううん。大丈夫、ありがとう」

「気にしないで?誰だって初めての場所は不安だものね。教室はもうすぐそこだから、ちょっと深呼吸してから行きましょうか?」


そう言って、私の背中を軽くさすってくれながら私と一緒に深呼吸までしてくれている。

その優しさに、少し涙を流してしまう。

そんな姿を見て、聖ちゃんは優しく声をかけず撫でてくれていた。

少しして、落ち着いた頃に教室の扉の前に着いた。

コンコンと扉をノックしてから、先に聖ちゃんが入る。

その後を続くようにして私も教室に入った。


「みんな、彼女が今日からこのクラスで一緒に学ぶことになる ゆうです。ほら、挨拶して」

「あ!あの、ゆうです。色々わからないことが多いのですが、よろしくお願いします!」


挨拶後にお辞儀をすると、クラスからはざわざわと話し声が大きくなる。

その後、顔をあげるとその隣にいる、担任の女性は何となく見覚えがあるような気がした。

だけれども、ぼんやりとしている。

視線に気づいて、その担任は私に自己紹介をした。


「私は、貴女の担任になる立木です。では、席は…そうですね。聖さんの隣にしましょうか。色々教えてあげて」

「はーい、ゆうちゃん隣なの嬉しいわ!改めてよろしくね」

「うん、私も嬉しい。此方こそよろしく」


立木先生の言われた聖ちゃんの隣の席に行くと、そこは後ろの方で聖ちゃんと誰かの間に座るような席の形だった。

この時間でもその人はいない。

不思議に思いつつ聖ちゃんに私は質問した。


「ねえ、この隣の席ってお休みなの?」

「ああ、その席はね多分今からくると思うわよ?」


私の質問にサラッと笑顔で聖ちゃんは答えてくれる。

そして、扉の方に目線を向けるので私もそちらを見てみるとガラリと扉が開いた。

そこにいたのは、先ほど保健室に来ていた怖そうな男の子。たしか…


「廻くん結局来たのね?今日は早い方だったわね!」

「あとあと文句言われても嫌だからな」

「相変わらずツンケンしてるの面白いわ」

「何言ってんだよ、アホか」


くすくすと笑いながらからかう姿と、それを呆れたように話す姿を見てなんだか安心感を覚えている私がいる。

なぜだかは分からない。

でも、なぜかこの二人は頼ってもいいのだと感じた。

転校生というだけで、かなりクラスにとっては浮いた存在だったから。

ホッとしたのもつかの間、立木先生が私の方に近づいて来た。

そして、私の机にごとりとアタッシュケースを置いた。

不思議に思い、顔を見ると説明をしてくれる。


「ここに貴女の魔法武器が入っています。これからこの学園ではずっと使うものになるので大切にしてくださいね」

「は、はい…」


そう言うと、立木先生は教団の方へ戻っていった。

恐る恐るアタッシュケースを開くと、その中には小型の二丁拳銃が入っていた。

こっそりと覗いていたらしい、廻くんが声をかけて来た。


「へぇ、二丁拳銃か。初心者に大変なもん渡すんだな」

「銃なの!?私とお揃いだわ!あとで詳しく教えてあげるわね!」


私の魔法武器を見て、かなりテンションの上がった聖ちゃんと今も銃をまじまじと見ている廻くんがちょっとだけ可愛いと思ってしまう。

多分廻くんにこの事がバレたらかなり怒られそうな気もした。

その後暫くは、立木先生の授業で基礎的な魔法武器の事を教わった。

成り立ちやらメジャー所など、私にはよく分からない。

授業が終わると、立木先生は教室から出て行く。


「ゆーうちゃん!」

「うわっ!?」

「驚く声可愛くなさすぎるだろ、お前…」


ぼんやりとしていた私に、2人が声をかけて来た。

そして、先程の魔法武器について改めて説明をしてくれた。

先生の授業では教えてもらえなかった、構造についてなどだ。


「この魔法武器の銃にはね、弾丸を込めるリボルバーみたいなものは無いの。まあ、自動拳銃の形だからこの場合はここの板っぽいところね」


そう言って、銃の下半分を指差して場所を示してくれた。


「その代わりに、ここでは魔力を弾丸として込めるのよ。あ、でも安全装置はきちんと付いてるから安心してね?」


安全装置のところを指差してから微笑む。

こんな優しい子に銃について学ぶ。

私には、ちょっと変な光景に感じた。


「こう、ぐーって魔力を込めてからバーって撃ち出すの!ね?撃ち方としては簡単でしょう?」

「えっと…」

「擬音とか勢いで話すのお前の悪い癖だぞ」

「そう?こう言う形のが案外分かりやすかったりするわよ?」

「お前は、の場合だろうが…」


撃つ真似をしながら話してくれてるが、本当に勢いだけでは分からない。

苦笑い気味になってしまう。

すると、聖ちゃんは立ち上がって言った。


「もう!実際体験して見るのが一番よ!次実技だから、丁度いいわよね?」

「確かにな。この特殊なクラスに来たなら、実力もあるんだろうし」

「え、いきなり撃つの?初日から?」


戸惑う私を見て2人は、大丈夫だからと言いたげな顔でこちらを見ている。

そして、廻くんは当たり前かのようにこう言った。


「この学園はそういう所なんだから、諦めろ」


魔法武器を少し手に持った時の、手にずっしりとした重みはこれからも忘れられないような気がした。

二丁拳銃 →これからゆうの魔法武器となるが、そこそこ重みのあるタイプ。


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