第一章一 死んだと思ったその先に
死からの始まり
「どこですか、、ココ」
高校三年生、松雪北斗18歳、夢も目標も今だ見いだせない、どこにでもいる平凡な高校生、彼は今見知らぬ異界の森に一人取り残されていた。
事の発端はついさっき、、、いつものように学校帰りに近くのコンビニに寄って、ポテチ(コンソメ味)と週刊少年ジャンボを買った北斗は、そのままいつもと同じ何ら変わり映えしないいつもと変わらぬ道を歩きながら帰路についていた。
家に帰って自室のベットにそのままダイブ、コンビニで買ったポテチを頬張りながらジャンボで絶賛連載中の今ハマりにハマっているドラゴン○ールの続きを読む、その妄想をしているところまではよかったのだがその日、彼の平凡な人生は突然の終わりを迎えた。
一匹の猫が道路をなに食わぬ顔で歩いていた。そこに減速せずに走行するトラック、、馬鹿でもこの状況の行く先は見当がつく。瞬間、北斗の体は勢いよく駆け出していた。
気づいたときには勢いよく体は跳ねられ、そのまま地面に叩き付けられていた。手足は動かない、顔にはコンクリートの冷たい感触が広がっている。
少し離れたところから視線を感じた。満身創痍のなか顔をあげ視線を向けると先ほど助けた一匹の猫が北斗を見つめていた。
「良かった、、ケガは、ねえか、、」
そこで記憶は途切れている、普通なら死んでそのままあの世に向かえられているはずなのだが、猫の救世主、松雪北斗は今、、生きている。
「あんれーー、もしかして天使様が俺のことを運んでるときに間違って落っことしちゃったのかな?なんつって!」
ヒューと一陣の風がふく、誰も突っ込んでくれる人はいない。状況がまるで読み込めない。
北斗は目を閉じ大きく息を吸い上げそのまま、たからかに声をあげた。
「ここはドコォォォォォォ!!」
瞬間、後ろの木々達がミシミシと音をたて崩れ、鳥達が騒がしく鳴きながら空高く飛び立っていった。北斗はビクリと反応し、後ろを恐る恐る振り替える、ズン、、ズン、、とゲームならこのまま恐ろしい魔物が出てきそうな重い足音をたてながら"なにかが"近づいてくる、そのなにかが森の奥から姿を現したとき北斗は目の前のその何かに目を疑った。
森の奥から出てきたのは一匹の熊だった、それもとても巨大で本や動物園で見るようなかわいらしいそれとは違う、とてもまがまがしくそして鋭い眼光をこちらに向けるファンタジーものの漫画に出てきそうなとても恐ろしい熊??だった。
「グルルルゥゥ、、」
唸りながらこちらに目線を向け、まるで獲物を見つけたかのようにじっと北斗を見つめる。
「あっ、、、こんにちわ」
言葉と同時に北斗の頭のなかに浮かんだ一言は。
----終わった、、
その一言だけだった。