日常3日目
ある日、隣町の貴族が遊びにきた。
実は父の少年時代の友人らしい。
その友人はこの地域に昔から住んでいる、下級貴族“ルラック”家。
代々長男が金融会社の社長を継ぐ。
ちなみに俺の家は、農業の他にも副業をしている。
父は魔法薬の製作販売。
元々父は魔導師で、魔法薬を作って学校の教師にイタズラしていた様だ。
逆にそれだけ魔法薬を作る才能があったという事だ。
母は魔法道具作り。
母も元々魔導師で、魔法道具を作るのが得意なのだとか。
彼女が開発した魔法道具もあるらしい。
とりあえず、俺は母に抱っこされて、父の友人の家族を出迎える。
ガチャリと家の扉が開いて、青髪のオッさんが入って来た。
彼の後ろには長い茶髪の美女と俺と同い年ぐらいの青髪の男の子が抱っこされていた。
「やぁ、コルウス!! 元気だったかい?」
「あぁ、“ラスク”!! お前も元気そうだな。
“モアナ”さんも久しぶり」
父は“ラスク”と呼ばれた青髪のオッさんと握手をする。
“モアナ”と呼ばれた茶髪の美女は苦笑いする。
「えぇ、急に訪ねてごめんなさいね。
クレーエさんもお元気でしたか?」
「はい、貴女もお元気そうで何よりです。
その子が三男の“ノール”君?」
「そうよ」と彼女は青髪の男の子を俺と母に見せる。凄いムスッとしてるんだけど…
「あらあら不機嫌そうね」と母達は微笑んでいた。
「その子は長男の“ヨルアオラ”君ね!
しっかりと紫の目を受け継いでいるわ」
「そーなのよ! 本当に良かったわ。
ノール君も大丈夫そうね!!」
とりあえず挨拶を終えて、俺たちはリビングに向かった。
俺とノールは隣同士で寝かせられ、両親達が会話していた。
ノールは俺の方を見て、ムスッとした。
俺の事そんなに気に入らないの?
彼は俺を指差した。
「あんあお?(なんだな?)」
「…おあえ、いあい(お前、嫌い)」
…初対面でそう言われちゃう?
つーか、なんで言葉が分かるんだよ、俺!!
「おえお、おあえいあい(俺も、お前嫌い)」
こー言っといた。
だって、初対面で言われたら、ね?
こうして、幼馴染ができた。
《追加紹介》
ラスク【男】
青髪青眼の男性。
ノールの父であり、金融会社の社長。
父・コルウスの親友。
モアナ【女】
茶髪茶眼の女性、ノールの母。
父・コルウスの同級生。
ルラック家
下級貴族。
長男が代々金融会社の社長を継ぐ。