24.八方ふさがり
布川の花祭の日からさらに二か月が経過した。その間、俺は所沢へ引きあげてはいるのだが、二回ばかり真由子に会いに新郷市へ出向いた。ところがついこの前、ちょっと厄介な事件が起こってしまったのである。というのも、真由子が俺の事務所へ直に電話をかけてきたのだ。連絡は事務所ではなく俺のスマホへかけろと、あれほど指示しておいたのに、あの強気な性格の真由子には、かえってそれが逆効果だったようである。
そして、その電話に応じたのが、俺ではなくリーサだったというわけだ。例のごとく、リーサは、俺の家内ですと前置きしてから電話に出たものだから、真由子が、あんたいったい誰なのよ、と問い返すしまつで、リーサはリーサで、妙な対抗意識を引き起こしたのか、真由子をより挑発させるような発言で迎え撃ったらしい。詳細は俺にはよく分からないのだが……。
というわけで、今度新郷市へ出向くときには、それなりの覚悟を持って出かけなければならなくなってしまった。
そんな中、リーサが不機嫌そうに俺に話しかけてきた。アンドロイドなのに、いらついている時のリーサは、俺にはすぐに分かる。
「リンザブロウさん、いますかー」
「さっきからずっとここにいるじゃないか。なんかあったのか?」
「あら、そんなところにいらしたんですね。ちっとも気付きませんでしたわ。
リンザブロウさん、聞いちゃってくださいよ。普段は寛容なリーサも、もう我慢の限界です。むかついちゃいます。この人、しつこ過ぎです」
「また、真由子から電話があったのか。あのなあ、リーサ。その人は、お前が思っているほどは悪い人ではないんだ。もう少し、柔らかく応対してくれると、俺としてはありがたいのだが」
「えっ、マユコ……? 誰です、その人?」
「誰って、お前がこの前出た電話で、怒鳴りまくっていた相手の女性の名前だよ」
俺はおそるおそるリーサに真由子の説明をした。
「ああ、あの時の……。
ほほほっ、リーサはあの人にはなーんにもむかついてなんかいないですよ。だって、とっても面白いひとでしたからね。からかっていると、どんどん声が大きくなっちゃって、リーサ、存分に楽しんでましたから」
「なんだ、それならいいけど。じゃあ、なにがしつこいんだ?」
いったい、リーサはなにに怒っているのだろう。
「メールですよ。あさきのゆめちゃんからです――」
リラックスゾーンもここまでだった。俺は気を引き締めて、リーサからタブレットを受け取った。これでもうかれこれ六通目となるのか、あさきゆめみし氏からの殺人予告メールも……。
拝啓、堂林君。
久しぶりだね。あんまり月日が経ってしまって、よもや、小生のことを忘れてはいないだろうね。なかなか忙しくて連絡もできなかったが、いよいよ次の仕事だ。うーん、わくわくするなあ。さあて、今度はどこでしようかな。楽しい人殺しを。ようし、決めた。
やはり、場所は馴染みの七首村がいいな。うん、そうすることにしよう。日時は、そうだねえ、あしたの六月六日とでもしておこうか。六番目の生贄をまつるには、語呂もいいしことだしね。
ところで、次の文字はなんだったっけ? ああ、『へ』だったね。さっそく、『へ』で始まる場所を探さなくっちゃ……。こりゃ大変だな。
あさきゆめみし。
2016/06/05(日)10時29分送信
今度の文字は『へ』か。さすがに、『へ』となると、犯人も苦労しそうだ。日時は明日か。やはり、警察に十分な捜査をさせないように配慮がなされている。馬鹿を振る舞いつつも、全てが計算ずくというわけだ。ともかく、警察へ連絡をしなければ。
俺はスマホを取り出すと、新郷署へ電話をかけた。
「堂林です。担当の千田巡査部長をお願いいたします」
いつもの口実から切り出すが、相手は知らない声であった。
「ええと、ただ今、千田は不在ですが、よろしければお名前をお伺いしてもよろしいですか? ああ、堂林さんね。ご住所は? えっ、所沢ですか。埼玉県のね。わざわざ遠いところから……。それで、ご職業は? はあ、私立探偵さん。珍しいご職業ですね。ご用件は? えっ、予告メールが来た。なんの予告メールですか? はあ、七首村連続殺人事件の、ですか。ほうほう。それで、あなたはどうやってそのメールをお受け取りに……?」
「ああ。あの、新幹線の時間が近づいていますから、とりあえず、電話は切らせていただきます。また、直接そちらまで伺いますと、千田巡査部長にお伝えください」
このまま会話をしていても埒が明かなさそうだ。俺が電話を切ろうとすると、
「ちょっと待ってください。話はまだ途中ですなんけど、あなたがどうしてこちらへ……」
「すみません、切らせていただきます」
カシャン。
ふー、と俺は大きくため息を吐いた。千田がいなければ、俺なんか単なる不審者に過ぎないのだ。あらためて自分の立場を自覚したものの、また七首村へ向かう気が失せるやっかいな要因が増えてしまった、と俺はひとり途方に暮れた。
新郷署に到着したのは、その日の夕刻であった。たまたま別所警部補がいたので、声をかけてみたのだが、なにやら深刻そうな顔つきであった。
「ああ、東京の探偵さんですか。お久しぶりです。今日はなんの用件で?」
「はい、今朝、また犯行予告のメールを受け取りましたので、はせ参じました」
「そうですか……、今回は何回目のメールでしたかねえ」
あまりのって来ないので、俺は逆に訊ねてみた。
「どうかしましたか。顔色も思わしくないみたいですけど」
「はあ。先日ですけど、大変なことが判明しましてなあ。それで悩んどるちゅうわけです」
「いったいなにが分かったのですか」
俺は首を傾げて問い返した。
「実はですなあ。西淵庸平と思われる遺体が、七首鍾乳洞から流れ出る小川のほとりで発見されたんですよ!」
「西淵の遺体が……?」
腹の中では、いつかこの事実が伝えられることを多少は覚悟をしていたものの、さすがに実際に聞いてみると、そこそこの衝撃を受けざるを得ない。
「本当に西淵のものなんですか?」
「さあ、まだはっきりとは分かりません。現在、鑑識へ回して身元鑑定をおこなっちょる最中です。
しかしですなあ。あり得んじゃないですか? 今回の事件の犯人は、絶対に、西淵でなきゃならんのです!」
そういって、別所は壁をげんこつでドンと叩いた。
「だってそうでしょう?
逃げ水の淵で殺されたのが本当に西淵だっていうのなら、いったい犯人は、どうして西淵が逃げ水の淵までやって来ることが予測できたんですか? それに、なぜ逃げ水の淵で待ち伏せていたんですか? これじゃあ、なんもかもが全く説明できんくなっちまいますよ」
いつもは温厚なタヌキが、いや、別所が、いつになく大声でぼやいていた。
「全く同感です。遺体が別人であれば、なにも問題はないのですがね」
俺は軽く別所をなぐさめた。
「ところで、探偵さん。さきほど、犯行予告メールとかいってみえましたなあ」
「はい。これをどうぞ」
俺は用意しておいたメールを印刷した紙を、別所に手渡した。それを見た別所の眉が一瞬吊り上った。
「今度の文字は『へ』ですか。しかも、殺人の予告は明日と……」
「そうです。至急、監視を付けるべきです。新郷市内の『へ』で始まる人物の全員に」
「わかりました。該当者を千田に調べさせましょう。『へ』で始まる人物のリストを……」
そういい残すと、急ぎ足で別所警部補は廊下の奥へ消えていった。
廊下の椅子で待たされることほぼ一時間。うとうとしかけた俺に、立ち止った千田巡査部長が声をかけた。
「おまたせしました。東京の探偵さん」
「ああ、千田巡査部長――」
俺は慌てて口もとのよだれをぬぐって、椅子から立ち上がった。
「まず、『へ』で始まる人物ですが……」
千田が語り出した。
「そもそもいるのですか? 『へ』で始まる苗字なんて?」
反射的に俺が口をはさむ。
「いますよ。ただ新郷市内の住民となると、たった一人だけですけどね」
「誰ですか?」
「紅谷佳純です。現在は細川地区で一人暮らしをしています」
そうか、紅谷佳純は『へ』で始まる苗字の人物なんだ。
レイプ事件の被害者である紅谷由惟の母親で、精神的に病んでいるとうわさされている人物だ。同時に、あのゴリラが、いや、平川が、殺されるかもしれないと怖れていた相手でもある。まあ、平川のいい分なんて、いっさい信用できないのであるが。
「紅谷佳純に監視の警官は付けましたか?」
「もちろんです。すでに堀ノ内巡査を含めて三人の警官を、彼女の家の周りに配置しました。連絡によれば、佳純は家の中で無事にいるそうです」
「彼女に連絡はしたのですか? その、殺人犯から狙われているかもしれないことを」
「いえ、そんなことしても、かえって捜査の邪魔になってしまうでしょう。今の時点で、警察から監視されていることも、おそらく知らずにいるのだと思います。精神的に追い込んではならない人ですからね」
「まあ、それが無難ですね」
俺も同意した。
「ところで、西淵の遺体が出て来たそうですね」
「ああ、別所警部補から聞かれましたか。でも、まだ西淵のものと断定されたわけではありません。正直な話、わたしはあの遺体は別人だと信じています」
千田がやや声のトーンを下げながら答えた。
「たしかに、西淵が殺されているとなると、これまでの推理を一からやり直さなければなりませんからね」
俺もいちおう口裏を合わせた。
「そうなんですよ。きっと西淵は、依然としてどこかに隠れ潜んでいて、明日の犯行を手ぐすねを引きながら待っているのです」
「まずは、発見された遺体の様子から教えていただけませんか?」
「ああ、そうですね」
そういって、千田は内ポケットから手帳を取り出した。
「遺体が出てきたのは、先月の五月二十四日でした。場所は七首洞窟の中を流れている川が地表へ出てくる小川のほとりです。見つかった遺体は、いかにも体重が通常よりは大きめな男性のもので、腐敗が進んで、骨がところどころ露出しており、脂肪の一部は死蝋化していました。そりゃあ、もうひどいもんです。なにしろ、あの逃げ水の淵での事件から、かれこれ四か月が経過していますからね」
「それにしても、よく出てきましたね。あの深い鍾乳洞の底に落ちたはずの遺体が……」
「はい。実はかなり昔のことですが、小学生の男の子が、やはり鍾乳洞で遊んでいて、おそらく、今回と同じ逃げ水の淵あたりでしょうね、うっかり足を滑らせて、行方不明になってしまいました。村中で探索したものの、なにしろあの洞窟ですから、見つかるはずもなく、探索は打ち切られました。ところが、そのまま三か月が経過したところで、出て来たんですよ。その男の子の遺体が、今回と同じ場所で――。
きっと、今回の遺体も、同じコースをたどって出て来たんでしょう。男の子の時よりも時間がかかったのは、ほら、西淵の方がはるかに流れにつまりそうな体型でしたからね。はははっ……」
ふと疑問が生じたので、俺は確認をしてみた。
「顔で西淵であると断定はできなかったのですか? そのお、今回の事件は、やたらと被害者の顔がつぶされるとか、顔がないとかが多かったですから」
軽い冗談のつもりであったが、
「はい。その顔なんですが、深い淵の底に落下する際に、なんども顔面を鍾乳石にぶつけたらしく、すでにその時点でぐしゃぐしゃになっていて、加えて、四か月以上もあの激流の地底川の水にさらされていたのですから、正直、顔から誰なのかの判別するのは厳しくなっていました」
嫌な予感がよぎった。また、顔が判別できないのか……。いい加減にしてくれ。
「しかし、着ている服は西淵のでした。ほら、あの無意味にど派手な蛍光色のジャンパーです」
「つまり、遺体はやはり西淵だったということですか?」
「たしかに、こうなっては、遺体が西淵ではない方が、状況的に考えにくいのですが、それでも、着ている服が一致したというだけで、遺体を西淵だと断定するのも、すこぶる危険ですよね。ひょっとしたら、同じ服が二着あったかもしれないじゃないですか?」
千田が一転、挑発的に問いかけて来たのだが、正直なところかなり苦しい主張である。
「血液型はB型でした。それから、後頭部に殴打された痕跡が見つかりました。想像するに、遺体は一度殴られてから逃げ水の淵へ落とされたみたいです。
さらに、肝臓も病んでいたみたいですね。肝硬変がかなり進行していました」
「肝硬変?」
「ええ。一気にゲキ太りする病気です」
「なるほどね。いかにも不摂生といった感じだったからな。西淵は」
「それから、遺体が西淵なのかどうかを確認するために、唯一の家族である母親を呼んで、遺体を見てもらいました。すると、本人でたぶん間違いはない、といってから、母親はその場で泣き崩れてしまいましたよ」
「そのお、顔も判別できないのに、どうして母親は、遺体が息子であると思ったのですか?」
「なんでも、遺体の右のわき腹に古傷があったのですが、母親によれば、それは小さい頃に怪我をした場所とほぼ一致しているということです」
「なるほどねえ」
「まあ、それでも念のために、我々はDNA鑑定も行うことにしました。間もなくその鑑定結果が出るはずです」
「まあ、それで遺体が西淵であることが判明すれば、捜査も少しは進展するといったところですね」
「いえ、とんでもないですよ。西淵は絶対にどこかで生きています。だから、今回の鑑定結果では、遺体は西淵ではないという結果が、きっと出てくるはずなんです。我々警察では、現在もそう信じつつ、捜査体制を組んでいますよ」
警察の考えももっともだ。俺も、遺体が西淵とは別人であってくれた方がいいような気に、だんだん傾いてきた。いずれにせよ、近日中に鑑定結果は出てくるということだし、まずは第六の事件を食い止めることだ。
もう夜になっていた。犯行予告の前夜だが、俺は紅谷佳純の住居がある二階建てアパートまでやってきた。このアパートは全部で八軒の居住部屋があるのだが、そのうちの四つは空きの状態だった。
「わたしも、今晩は見張りに付きあいますよ――」
と、一階の一番手前にある部屋の戸口で、俺は中にいる堀ノ内巡査へ声をかけた。そこは空き部屋の一つであった。アパート大家の許可を得て、警察はそこで待機をすることにしたのだ。紅谷佳純の家は、二階の一番奥である。佳純の部屋へ行くには、現在いるこの部屋の扉の前を通過して、建物の中央にある階段をのぼって、二階へ行くしか手段はない。
「そうっすか。じゃあ、こちらへ。お酒をやるわけにゃいきませんが、お茶とつまみくらいなら、多少はここにありますに……」
その部屋には、堀ノ内巡査のほかに、二人の若い警察官がいた。
「はい。でも、せっかくですから、わたしは外の別の場所から見張らせていただきます。その方が、紅谷佳純を守るチャンスもより高まるというものでしょう。今度こそは絶対に犯人を捕まえてやりたいんでね」
そう告げて、俺は部屋をあとにした。
翌朝、朝日ものぼって空が明るくなってきた。今日は犯行予告日の六月六日である。俺は一晩中眠らずに外にいた。とりあえず、今のところ怪しい現象は起こってはいない。
旧七首村の細川地区は、宇連川の支流である真立川沿いに位置する細長い集落だ。阿蔵や七首に比べれば、はるかに現世にいるような感じの落ち着いた部落である。ここには蓮見悠人が勤務していた細川診療所があり、まわりはちょっとした町となっていて、一軒家ではあるが家庭電器屋だとか、お好み焼き屋や駄菓子屋などの店が並んでいる。残念ながら、コンビニエンスストアだとかスーパーマーケットまでになると、大野の町まで行かなければない、とのことだ。とにかく、人々の生活の息吹が、ここではまだしも感じ取れる。
それに対して、紅谷佳純が住むアパートは、少なくとも築二十年は経っているであろう、古くておんぼろの建物だった。ここも、細川診療所からさほど遠くない場所であるのだが、土地が周辺より低くて、今にも崩れ落ちそうな屋根の家屋が軒を連ねる、いかにも地域差別を受けていそうな地区であった。
細川地区の家々は、全般に比較的新しい住宅もあるのだが、逆に、阿蔵や七首のような大きくて立派な大屋敷は全く見当たらない。もちろん、かやぶき屋根の家などはなく、断熱材の入ったモルタル壁で覆われた現代風の一軒家が、点々と並んでいる。家の庭も狭くて、植木や花壇もこじんまりしている。畑や林を持っている家などは、かなり限られているようである。
そして、その日はなにごともなく暮れていった。俺は日が暮れたところで、あとは警察にまかせて、新郷署へ戻って待機をした。しかし、深夜十二時を過ぎても、警察になんの一報もなかった。
翌日の六月七日にも、さらに次の八日となっても、事件の情報はとんと入って来なかった。同時に、紅谷佳純は健在である、との連絡は報告されている。こうして、彼女の警備も徐々に緩められて、今は警官が一人だけ見張りについているということだ。
そんな中、意外な一報が入ってきた。六月九日の午前九時のことだった。新郷署に電話があって、電話主は平川猛成の妻からで、その内容は、平川猛成と六月になってから連絡が取れていないということであった。別居中なので、常に連絡を取り合っているわけでもなく、また平川の職業は長距離トラックの運送業であるので、二日くらい家を留守にしていることも茶飯事なので、これまであまり気にしていなかったが、さすがに、家には帰っておらず、携帯に直接電話しても応答もせず、仕方なしに、会社へ電話をしてみると、六月五日から無断で欠勤状態が続いていると告げられた、ということである。
第六のメールの犯行予告日が六月六日だったから、時期的にはシンクロしており、いやな予感がしないでもない。しかし、肝心の平川の苗字は『ひ』で始まるのだから、今回の『へ』文字の殺人には対象外のはずだが……。
とりあえず警察は、失踪事件として平川猛成を手配したのだが、それらしき連絡はなにもなかった。
もしかすると平川猛成は今回の犠牲者として殺されてしまったのかもしれない、と俺はふと考えた。その根拠は、七首村でただ一人の『へ』ではじまる紅谷佳純がいまだ健在であることと、平川猛成が、これまでの犠牲者の、六条道彦、西淵庸平、それと穂積智宙の少なくとも三人と密接な関係を持っているからだ。しかし、ここに来て犯人は『いろは歌』という見立てを放棄したというのか?
やがて、六月九日の午後となり、相次ぐ混乱の最中、まるで駄目を押されるように、科学捜査研究所からDNA鑑定の結果報告書が、新郷署にいる千田のもとへ送られてきた。しかし、知らせを確認した千田巡査部長は、ぼう然と立ちすくんで、しばらくその場を動くことができなかったそうだ。
報告書には、こう書いてあったとのことである。
七首洞窟の近辺で発見された遺体と、西淵庸平のDNAの型は、同一人物のものであることが確認された――。




