香りと記憶は連動する
匂いを嗅ぐことでそれにまつわる記憶が蘇る……という説を聞いたことがある。
つい先日、職場のスポットクーラーが壊れた。
電源を入れることはできるけれど、ファンが回らない。モーターが過剰に回転して焦げる臭いが部屋中に立ち込めた。
明らかにヤバイのでこいつは封印した。
メーカー保証期間過ぎてるから新しいのを注文することになった。
直せるか見てみてよーと先輩に言われてこのクーラーをいじっていて、モーターの焦げる臭いを嗅いだら、小学生の時のことを思い出した。
直列つなぎ並列つなぎでラジコン(というかミニ四駆)の速度や電池の持ちがどれくらい変わるかという理科の実習だ。
クラス中の生徒がラジコンを走らせるから、最終的にモーターが熱くなって変な臭いを発するまでになった。
これまでまともに小学生の頃のことなんて回想しなかったのに、今回はっきりその時のことを思い出せたから、定説はあながち間違っていない気がする。
電池が入っている状態で、うっかり銅線に、直に触ってしまって左の人差し指が焼け焦げたことも思い出した。
今思い出しても熱くて痛い。
その時の私は、人間の皮膚って銅線で溶けるんだ……と謎に感動していた。下手するとちょっとの火傷で済まなかったかもしれないのに、子どもって危機感ないな。
モーターが焦げる臭いと小学生の時の記憶が連動したのがなんだか面白かったというお話でした。