18話 夏休みの計画って気が付いたら立ってるよね
すみません。高校の課題や部活で時間がとれませんでした。こんな作者に感想・ご指摘お願いします。
前回のあらすじ
ゲームはする人の本質が出るんですよ。by桜
〜side太陽〜
「海に行こう」
7月の半ば。あと数日で夏休み、という時期で最近は珍しく大人しくしていたウスが突然言ったことがこれだった。
「小学5年生のたった1度しかない夏休みに、何の計画も立ててないなんて、ふざけてるにも程があるぜ」
「まぁウスの言ってることにも一理あるな。俺は賛成だ。な、雫」
「勝手に決めないでよ。でも風がどうしても一緒に行きたいなら行ってあげるわ」
相変わらず風に弱いな。
「蓮華はどうだ」
とウスが蓮華に話を振る。
「俺も忙しくないが、俺海に行ったことないんだよな」
「「「嘘!!」」」
露骨に驚くウス・風・雫。ちなみに僕もかなり驚いている。
「まぁ人にはいろいろありますからね。私もそこまで海には行きませんし」
「桜ちゃんの言う通りだよ」
桜はともかく意外な反応を見せた舞。
「よし、なら決定でいいよな。太陽は優ちゃんと葵さんにも行っといてくれ。引率は先生に頼んであるから」
ウスが僕にそう言ったが。
「ごめん。僕はやめとくよ」
僕は断った。
「どうしてだよウズっち。ウズっちらしくない」
「いや僕あまり旅行とか好きじゃないんだよ」
「そういえばウズってあまり遠出しないよね」
「あぁ。だから優と葵姉さんには言っておくからみんなで楽しんで来い」
「でも「悪い、そういえば僕、梓先生に呼ばれてたんだ。じゃあな」」
そう言って僕は部屋から出て行った。
〜side蓮華〜
「さっきの太陽。いつもと様子が変じゃなかった?」
雫の言葉を聞き、俺はあいつと二人きりで話したときのあいつの目を思い出していた。
「確かに。いつもの進道くんとはなにかちがいましたね」
「悲しい目をしてた」
風の言葉を聞いて俺は我に帰った。
「舞は何か知らないの?」
「うん。でも昔のウズはあんな目をしてた」
さっきまで鳴いていた蝉の声もなく、教室は静まり返っていた。
「もう、こんな暗い話やめようぜ」
静寂を木端微塵にしたのはウスだった。
「太陽は俺が説得しとくから」
そう言ってウスはかばんを持ち走って教室をでた。
にしても、ちゃんと教科書は置き勉するんだな。
〜side太陽〜
「やっぱりここにいたか」
ブランコに座っている俺に話しかけてきたのはウスだった。
「お前は何かあるといつもここに来てたからな」
秋風公園。常夜市内にあるがほとんど知ってる人がいない程に小さな公園。
「海、本当に行かないのか」
「あぁ」
そういった僕にウスは告げた。
「あのことか」
「!!」
「確かに海に行った一週間後だったからな」
「そうだな」
「お前は悲しい思いをしたくない。だから思い出を作りたくない。そうだろ」
「それは・・・」
反論さえできなかった。
「お前は分かってるはずだぜ。もうあいつ等は俺らの親友だ」
「でも、俺はあの時のような思いはもう・・・」
「お前の気持ちは俺が一番分かってる」
「なら「だけどな」」
ウスが僕の言葉をさえぎる。
「受け入れなきゃいけないんだよ」
・・・・・・・・
「受け入れなきゃ進めねえだろ」
言葉が見つからなかった。
「海のことはお前が決めろ。過去に縛られるもよし。前に進むのもよし。決めるのはお前だ」
こいつは・・・・・・
「ハハハハハ」
「どうした急に笑い出して」
「いやなに。こんな影も薄ければ、存在感もなけく、誰にも見向きされない奴に分かられるなんて、最悪だと思ってよ」
「今三回同じこと言ったよな」
「何時までも踏みとどまってたら行けないんだよな」
「あれスルー?俺の発言はスルー?」
こんなことにも気づけなかった自分が恥ずかしい。
「ひとまず、感謝だけはしとくよ」
「ありがたく受け取っておく」
僕たちを照らしている夕日は僕らが出会ったあの日と同じだった。