エピローグ
何故人は生きるか、何故本当に死ぬまでドラマがあるのか、人は日常を生きるのか人生を生きるかの二択を迫られる。
そう、まるで生き様とは神話の様でなければならない───────。
時は流れ、精歴4050年、惑星の中心部に都市があり、そこにはひとつの学校があった───────。
ふぁああぁあ。
「おい、そこ。欠伸をするなと言うとるのにまだわからんのか?魔法学の課題増やすぞ!」
いきなり激しい言葉で優しく窘めるのは教員の服を着た狸だった。
「あの〜。アカマツ先生、質問しても良いでしょうか?」
「なんだね?笹舟君も魔法学の課題が欲しいのかね?」
「いえ、何故うちの学校だけ学校があるのかについてなんですが...」
「そうだな、それは明日頃話す決まりになってるから、大人しく授業を受けてれば良い。それが私からの質問に対する回答だ。」
「では、授業を続ける。魔法学IIのテキスト666頁を開きなさい。我々は精霊を信じる事で加護、祝福、呪い、混沌をこの世に反映できる。次に世界を脅かしてはならない。その際には終末と呼ばれる者たちが矛を持ち、汝らに牙を向くであろう。」
キーンコーンカーンコーン。
キーンコーンカーンコーン。
「あー、これからなのに。終わってしまった。」
起立!礼!着席!
「今日はHRはなしだ。先生は、急用を思い出したから、生徒諸君は寄り道をせずに指定された学校用通路を歩くように!よいな!それ以外の道は絶対に歩くな!では解散だ!」
「どうする?零花?言われた様に真っ直ぐ帰る?それとも指定外区域を見て回る?」
「そうだね、潮音。両方かな。」
???
「どういう事?つまり。」
「アカマツ先生の言う事を聞いて、指定外区域を伺う。要はヒットアンドアウェイだ。」
「へぇ〜。この欲張りさんが!」
潮音は零花をおりゃおりゃと背後から抱きついて髪をワシワシと遊んでいた。
「さてと、帰宅するか!」
ザッザッザッ。ザッザッザッ。ザッザッザッ。
「う〜。寒いね〜。季節が狂ってるって本当だったんだ!」
「だね、今日は雪が積もってるから歩きにくいね。アカマツ先生はなんの用だったんだろう?」
「何かね〜。出るみたいだよ?」
「出るって何が?」
背後がヒヤリとしながら零花は尋ねた。
「知らんの?そりゃ〜。怪物だよ。怪物。街一つ壊して季節を滅茶苦茶にして人間を肉塊にして徘徊して回ってるっていう。」
「えっ。じゃあアカマツ先生が真っ直ぐ帰れって言ったのは。」
「そう。怪物が出るから!アハッ!」
待ってましたと言わんばかりに応えてみせる。
「ま、まあ怖いもの見たさ、だよね。」
「ヒットアンドアウェイ、でしょ。今更引き返すなんて、どうせ、明日発表のイベントま化け物の話に違いないんだし。」
そろそろ、指定外区域の端の辺りだ。自分の悪寒か、寒さのせいか分からないまま、友人とエリア外に出る。
「破っちゃったね。約束。」
「う、うん。もう後には引き返せそうにないね。」
ザッザッザッ。ザッザッザッ。ザッザッザッ。ザッザッザッ。
「大丈夫。見たらすぐ引き返せばいいだけだよ。」
「そ、そうね。」片手でサムズアップして大丈夫な事を表現してみた。
ゴァアアアアァアアアアアァアアアッ───────。
「な、何。今の咆哮みたいなの。」
「だ、大丈夫。まだ気づかれてないよ。もうちょいいけるはず。2人で化け物見るって決めたんだから───────。」
リンッ。リンッ。リンッ。リンッ。リンッ。
突如として、目に映ったのは人間では無いなにかだった。片手にはベルを持ち、もう一方には武器を持つ卵から手が生えてきた異形の生き物達だった。
そして、奴等は嗅覚も聴覚も視覚もないのに襲いかかってきた。
「───────。やばいッやばいよ。これ、明らかに死んじゃうやつ!」
潮音もコクコクと頭を軽く縦に振っていた。
木々を利用しつつ敵の攻撃を躱してみせる。
が、奴等は宙を浮いているので、すぐ追いつかれる。
潮音が頭から盛大に転ける。
「わ、私のことは置いていいから、早く逃げて先生達に報せて!」
「で、でも。」
「早くっ!」
「い、嫌だ!一緒に帰ろう!」
「馬鹿!このままだとっ───────。」
そんな中、奴等は空気を読まずにナイフで刺しにくる。
「ッツッッ───────。」
そんな、刹那の瞬間、ナイフが凍った。
「なんで、指定外区域にうちの生徒がいるの?」
現れた銀狐は少し恐い口調をしながら、掌から氷を造ってみせる。
「氷雪魔法、淡雪。」
全体に氷が広がり、化け物と武器だけが氷漬けになる。
「後で説明してもらいますからね。二人とも。」
こうして、今日は終わる───────。




