表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/6

また今日という日がやってくる

翌日・・・・

僕らは昨日と同じように狩りをするため獲物を探してるわけなんだけど中々見つからない。森、森、森の中をひたすら歩く。前後、左右をくまなく見るが獲物になりそうな物がいない…はぁー…と溜め息をついた僕に

「大丈夫!今日はまだこれからこれから!」と並んで歩いている相棒に励まされた。ルナは本当に諦めない。僕も諦めない方だとは思うんだけどルナには負ける。

今、僕らの目は狙ったら捉えて離さないギラリとした

怖い目つきをしてると思う。でもこれは本能だ。

今日を生きるための僕らオオカミの本能なんだ。

だから恐がらないでほしいなんて誰に向けてなのか

自分にすらも分からないそんなことを僕は思った。

「あっ、何かいる!あそこ!」とルナの言葉で僕は

視線で促された先に集中する。

遠くの方から影が近付いてくる。それも一つではない。目で数えていくと十の影が見えた。二頭は今日は大量収穫だと胸を弾ませていると近くなるにつれ

十の影の姿がはっきりとしてきた。しっかりと目でその姿を確認した二頭の胸のドキドキはワクワクから緊張した物へと変わっていく。こちらに近付いてきたのは彼らと同じ十頭の群れのオオカミだった。

ソルとルナは後退り、逃げる体勢をとるがあっという間に囲まれてしまった。

「お前らここで何してる?」群れの一頭から発された

言葉に返そうとするも恐怖で言葉が出てこない。

ソルとルナより体格も大きくこの二頭より強いのは

明らかだった。狩りをしているんだとその言葉を

言おうと口を開こうとするも恐怖の方が勝っているソルに対し先に口を開いたのはルナだった。

「狩りをしてるの!」ルナも本当は恐い。でも恐さに負けたくなかったルナは絞り出すように言った。

若干その声は震えていたかもしれない。


「狩りだと?誰に許可取った?ここは俺達の縄張りだ。

とっととこの森から出ていけ」ドスの効いた低い声に

息をするのも忘れそうになる。


ルナだって恐いはずだ。なのに、僕は…

男だろ…それに兄貴だ…そう自分に言い聞かせ

「この森は皆の森だろ!」と声を上げたソル。


そう言った瞬間、ソルの体が吹っ飛んだ。ある一頭のオオカミに体当たりされたのだ。

「このガキがー!俺達に逆らう気か!」


起き上がろうとするも痛みで起き上がれない彼に

守るようにルナが覆い被さる。十頭の群れに目だけは

向けたままソルの名を呼ぶ。「ソル、大丈夫?ソル!」

大丈夫と言わなきゃと思うものの痛みのあまり

「ウッ…」と情けない声しか出てこない。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ